「フェスは日本だけにあらず」海外での本場夏フェス体験のススメ

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日本では、ライブ文化も成熟し、フェスに洋楽アーティストの参加が普通になってきました。でも、洋楽アーティストに触れあいたいのであれば、本場のフェスを体験するのも一つの楽しみ方です。欧米のフェスへの参戦は、言語的にも地理的にもハードになるものの、一生モノの体験になること間違いなし。海外ニュースをザッピングしたり、来日予定のアーティストを待つのではなく、直接フェスへの参加をしてこそのフェス狂いです。

1:グラストンベリー・フェスティバル Glastonbury Festivals

グラストンベリー・フェスティバル Glastonbury Festivals
photo by Aamena Akhtar

■開催地 イギリス
■開催日 6月24日〜6月28日
■ヘッドライナー フー・ファイターズ  カニエ・ウェスト ザ・フー

まずは英国最大級の夏フェス、グラストンベリー・フェスティバルをご紹介します。1970年より開始したフェスで、当初は1500人の参加のみの小さなイベントでした。しかし、現在では100万枚を超える程のチケット販売が生まれるビックフェスティバルにまで成長しました。(しかも、売り切れまで1時間半もかからなかったとか。)出演ステージ数も「100」を超え、ロック・コンテンポラリーダンス・ジャズ・ショー(演劇)などジャンルの裾野も広いフェスになっている。今年のヘッドライナーは、問題児カニエ・ウェスト。オンラインでの出演辞退嘆願書や、殺害予告、別アーティストの打診などがあったとの情報でメディアが賑わっています。こうなると思い出すのは過去フェスでおきた、ジェイ・Zとノエル(オアシス)の場外バトル。チケットの売れ行き不振と重なり、ヘッドライナーバッシングをノエルが実施。開催まで不穏な雰囲気が流れました。フェス失敗かと思われたところ、蓋を開けてみるとジェイ・Zのパフォーマンスが大絶賛で、手のひらを返した様に主要メディアは絶賛しました。日本人アーティストとしては、東京スカパラダイスオーケストラの出演した事があるのが有名です。

2:トゥモローランド tomorrowland

tomorrowland
photo by MIXTRIBE

■開催地 ベルギー (アメリカ・ブラジルでも開催)
■開催日 7月24日〜7月26日

世界最大のEDMフェスティバルとして名高い、トゥモローランド。世界的にEDM系のフェスは増加傾向で、参加者やチケット販売額などもうなぎ登りになっています。トゥモローランドで言えば、一般参加チケットですら転売額が10万円を超える程の大人気。踊れるミュージックを軸にしたアーティスト構成ですが2015年の第一弾発表では、「ベルギー国立管弦楽団」が参加する事が決まっています。EDMとクラシックは個別アーティストのコラボでは実現してきましたがフェスメインとして提案するのは、おそらく初。

出演アーティストで、ピックアップしておきたいのは、やはりAviciiでしょう。昨年はおしくも来日公演がキャンセルになってしまいましたが、今年はリベンジ公演も確定したところ。日本のEDM人気の一翼を担う彼は、トゥモローランドの常連アーティストです。2ndアルバムの発売も近いですし、初発表の新曲がなんらか発表されるのは間違いないでしょう。

EDM系のフェスだと、ULTRA MUSIC FESTIVALやELECTRIC ZOOなども日本からの参加者が多いと言われています。リゾートアバンチュール兼フェス参加という夏休みはオリジナリティがあって素晴らしいと思いますよ。

3:ロラパルーザ Lollapalooza 2015

Lollapalooza 2015
■開催地 アメリカ (シカゴ)
■開催日 7月31日〜8月2日
■ヘッドライナー ポール・マッカートニー メタリカ フローレンス&ザ・マシーン サム・スミス
シカゴ最大のロックフェスといえば、間違いなくロラパルーザだ。90年代を代表するフェスで、フェス文化の一助を作ったイベントといっても過言ではないだろう。開催場所は、グラント・パークでグラストンベリーの様に足探しに心配をする必要がないフェスだ。(ユナイテッド航空がシカゴ直通便を飛ばしているのも心強い。)足が心配ない分、宿の確保の難しさでも知られている。モーテル・Airbnb等を駆使し、早めに宿泊施設を確保しておくことが大切です。

おそらく、フェスを知らない人でも知っているのが、レディーガガ伝説。彼女の暴走で有名になった動画は、1400万再生を突破しています。過激な衣装もさることながら暴徒の中に何度もダイブを試みるのは、見ている側も興奮の渦に巻き込んでくれること間違いなし。

注目のアーティストは、サム・スミス。イン・ザ・ロンリー・アワーの連続チャートインは、同じくヘッドライナーをつとめるポール(ビートルズ)が樹立した大記録を超えたことで、脚光を浴びています。そんな彼は、オーストラリア公演・日本公演と立て続けに体調不良で出演キャンセルとなってしまっています。だからこそ、ロラパルーザでの復活に期待しましょう。

4:Vフェスティバル V Festival

V Festival
photo by Pete Ellis

■開催地 イギリス
■開催日 8月22日〜8月23日
■ヘッドライナー カルビン・ハリス カサビアン

ロンドン近郊に、音楽狂が集まる都市型フェスティバル。ライブ中の乱入、暴行事件、死亡事故、尿入り瓶投擲・・・。これだけ聞くと暴れ者の多いライブフェスな印象を受けるかもしれないが、昨今ではトラブル対策としてセキュリティや安全対策にも重点を置いている。しかも、都市型フェスでありつつもVスタイルという、テント宿泊を手ぶらでできるプランが用意されている。価格は20万円〜100万円と幅は大きいが、海外からの参戦であれば利用しない手はないだろう。

注目アーティストは、カサビアン。2004年から幾たびもサマーソニックに出演している為、洋楽ファンでなくても認知度が高いアーティストだ。もちろん、Vフェスティバルでも常連の彼ら。今からセットリストの予測は難しいが、サマソニで歌ったstevieの様なエレクトロなライブ向きの曲や、Club Foot等のメッセージ性の強い曲を歌い上げる可能性は高い。

ちなみに、本フェスティバルのVはバージングループの頭文字から来ている。いままでは、バージンの直行便を利用してフェスに参加という選択肢があったが、現在では廃線しているため他航空会社を利用しよう。(半日飛行機に乗りっぱなしになる為、経由便を利用するのもオススメ。)

5:レディング&リーズ・フェスティバル Reading and Leeds Festivals

Reading Festival
photo by Trev Eales

■開催地 イギリス
■開催日 8月28日〜8月30日
■ヘッドライナー メタリカ マムフォード・アンド・サンズ ザ・リバティーンズ

夏の終わりを飾るフェスティバルとしては、レディング&リーズ・フェスティバルを外しては音楽通失格だろう。サマソニで音楽を学んだ諸君であれば、一番親和性が高いフェスではないだろうか。(ただ、8月末のイギリスは秋口にさしかかっているためサマソニと同じ格好でいったら風邪をひきそうだが。)Vフェスティバルと同じく日帰りでも行ける都市型フェスティバルであるが、3DAYSの開催や出演アーティストの幅の広さなどの違いがある。

そんな中での、一番の注目はやはりザ・リバティーンズでしょう。新アルバムのリリースが確定しており、先月にはレコーディングの様子をSNSで投稿するなど3rdアルバムのリリースは秒読みです。現在では、限定的な再結成とされているが、フェスでの評価も高く、ヘッドライナーとしての最高の演奏が期待できること間違いなしだ。

日本人アーティストとしては、BABYMETALがメインステージでの演奏が決まっている。着々と海外での演奏実績を重ねる彼女達には、イギリスでも多くのファンがいると聞きます。多くのモッシュが今回も発生するのだろうか。

フェスの楽しさは、収容キャパや出演アーティスト数に比例するものではありません。ですが、好きなアーティストが遠い所で出演するからといって諦めてしまうのはもったいないです。夏という一番に羽目を外せる中で、より冒険に近いフェス体験を実施してみませんか?

text:ほたて