【ライブレポート】Get Lucky以降の音楽シーンをひた走るTuxedo、至高のバンドセットで日本へ降臨!


サマーソニック2015の1日目の夕暮れ時、筆者はビーチステージにいた。同時間帯には、別のステージでマックルモア&ライアン・ルイスや、ザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンが出演していたが、彼らを諦めてでも観ておきたいアーティストがいた。それがTuxedoの二人である。2013年にダフト・パンクが“Get Lucky”でかつてのディスコ・ミュージックへの回帰を打ち出し、昨年初頭には、マーク・ロンソンとブルーノ・マーズによる“Uptown Funk”がメガヒットを記録した。「あの頃」への憧れを惜しげもなく披露するTuxedoの音楽は、明らかにそれと地続きである。いや、正確には彼らの方が先にそこにいた。メイヤー・ホーソーンにしろ、ジェイク・ワンにしろ、Tuxedoを組む前から自身のプロジェクトに「あの頃」を持ち込んでいた。現行ディスコ・ミュージックがトレンド化する前に、彼らはその最先端にいたのだ。例えばこの曲。
A Long Time

この曲が収録されているアルバム、“How Do You Do”がリリースされたのは2011年である。先述の“Get Lucky”が発表される2年も前だ。要するに、時代が彼らに追いついたのである。そんな背景もあり、サマソニでの彼らのライブは特筆すべきものになるという確信があった。案の定、ビーチステージでのパフォーマンスは素晴らしく、筆者は周りの人間に「サマソニ1日目のベストアクトはTuxedo」と言い広めていた。

あれから約5か月。年の始まりのリキッド・ルームで二人が見せたのは、昨夏以上に熱くてソウルフルなステージだった。

Tuxedo ライブレポート

😳

M A Y E R H A W T H O R N Eさん(@mayerhawthorne)が投稿した動画 –

動画は1月9日のVISIONにて

会場内は人で溢れ返っていた。チケットはソールドアウト、日本でもここまで来たか!と胸が高鳴ったが、先ほど述べたトレンドとは少々事情が違うようだ。この日のオーディエンスは年齢層が高めで、ブームに敏感な若者の姿はあまり見かけなかった。恐らく、この超満員はそのようなムーブメントによるものではなく、かつてディスコ全盛期に青春を送った大人たちの情熱が再燃したもの(そのきっかけは“Get Lucky”かもしれないが)と見るのが自然だろう。所感としては、若年層の間には「星野源の“Yellow Dancer”は聴くけれど、Tuxedoは知らない」という状況がある。カッコイイとは思うけれど、このカッコよさがどこからやって来たのかは、まだあまり知られていない。つまりこの国においては、根本的な部分ではまだ夜明け前なのだ。

その影響なのか、Tuxedoもオーディエンスも、やけにギラギラしていたように思う。メイヤーとジェイクの二人は、ヴィジュアルからして気合が入っていた。ワインレッドのタキシードに身を包み、ステージ上を所せましと動き回る。一歩間違えれば衣装負けまっしぐらだが、二人ともよく似合っていた。

この日のセットリストには、自身のオリジナル楽曲だけではなく、偉大な先人たちのカバーも多分に組み込まれていた。Skyyの“Here’s To You”も良かったが、何といっても特筆すべきはCHICの“I Want Your Love”だろう。この曲をカバーするにあたって、メイヤーはMCで素敵なエピソードを語ってくれた。

「日本に来る前に、とあるパーティーでナイル・ロジャースに会ったよ。僕は彼の大ファンだから、当然彼のもとへ行ったんだ。そこで僕は日本公演のためにアドバイスをいくつかもらったよ。『あなたは何度も日本に行ってライブを成功させているけれど、何かアドバイスをいただけますか?』って聞いたんだ。すると彼はこう答えたよ。『うーん、まずはステップをクールに刻むことだね。こんなふうにさ。ワン・ツー・スリー・・・』 」(“I Want Your Love”スタート)

あまりにも洒落た演出に場内から歓声が上がった。これぐらい真っすぐにディスコへの憧れを表現されたらケチのつけようもない。澱みなくピュアで、限りなく情熱的。アンコールまでその思いが途切れることはなく、「自分たちはどこから来たのか」を熱く語っているようでもあった。

ナンバーワン second to none

M A Y E R H A W T H O R N Eさん(@mayerhawthorne)が投稿した写真 –

僕らの世代が彼らの思いを理解したとき、いよいよ新時代の幕が上がるだろう。そして、そう遠くない未来に、その時はやって来そうだ。CHICの最新作には大いに期待している。

Do It


<アーティスト詳細>
Tuxedo LABEL SITE
メイヤー・ホーソーン OFFICIAL SITE
ジェイク・ワン LABEL SITE

text:川崎 ゆうき

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