photos 後藤壮太郎

圧倒的なカリスマ性!The 1975、一夜限りの来日公演ライブレポ!

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The 1975が昨夜(1月26日)六本木EXシアターで一夜限りの来日公演を行った。
the1975

チケットは完売。一時は「解散か?」とファンを戸惑わせた昨年6月の制作発表から半年が経ち、謎に包まれていたセカンドアルバム『I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unware of it』のリリースまでも、とうとう残り1カ月をきった。今夜はその中からいくつか新曲を聴くことが出来るのではないかと期待に胸を膨らませて足を運んだファンも少なくないことだろう。筆者もその1人である。フロントマンであるマシューの『TOKYO-!!!!』というシャウトで幕を開けた公演はそんなファン達の期待を裏切らず、全19曲で構成された新作の中から計5曲を披露。モノクロームに強いこだわりを感じられた前作とは打って変わり、新作のテーマカラーともいえるピンクやブルーのライトで照らされたステージはこれまでSNSで公開されてきたネオンライトの画像を連想させ、彼らの世界観へ観客をより一層惹き込むものとなった。

photos 後藤壮太郎
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The 1975の来日は今回で5度目。どうやら日本を大変気に入ってくれている様子で、公演中マシューは「ありがとう」や「たのしい」、「サイコー」など覚えた日本語を連発。「日本語を話せなくてごめんね。次来たときは流暢に話せるように練習するよ。」とも発言。嬉しい一言である。

また、特に印象的だったのはスマートフォンのカメラを構えながら演奏を聴く観客全体にマシューが撮影をやめるように言ったシーン。「君たちの携帯じゃなくて、君たちの顔を見たいんだ。カメラ禁止!」そう言って、ステージ上のカメラマンからもカメラを取り上げてみせた。その後、恐らく全ての観客が顔だけをステージに向けて聴いた「Me」。曲が終わってもシャッター音は何一つ聞こえず、その静かな余韻が最高に心地よかった。

「You」での手拍子や新曲「The Sound」でのジャンプ、ラストを飾った「Sex」のサビ部分の合唱、観客が「I love you!」などとステージへ言葉をかけると彼らが応答する場面もあり、最初から最後まで一体感の感じられる公演であった。

時折グラスに入った赤ワインを飲み、煙草をふかすマシューの姿は美しく、3年前にデビューアルバムを出したとは到底思えない大物感とカリスマ性が伺えた。ルックスだけの話ではない。80年代風のキャッチーなポップサウンドと浮遊感のあるシンセイザー、軽快で煌びやかなアダムのギタ―に、ロスの深く響くようなベースの音、ドラマーのジョージによる存在感のあるビート、そして忘れてはいけないのがサックス奏者ジョンによる伸びやかで澄み切った音色。それらの重なりは甘く、感情を揺さぶるような重みがあり、それでいて快美である。まさに極上ポップ!

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photos 後藤壮太郎

公演の前日25日にSUMMER SONIC2016に出演することが発表されたばかり。悔しくも今回を逃してしまった方は、ぜひとも今年の夏にサマソニで彼らの素晴らしいパフォーマンスを体感していただきたい。

【Set list】
・Love Me ★☆
・Heart Out
・The City
・So Far (It’s Alright)
・You
・Menswear
・Change Of Heart ★☆
・She’s American ★
・Me
・Falling For You
・Somebody Else ★
・The Sound ★☆
・Robbers
・Girls
 
・Medicine
・Chocolate
・Sex
 
★新作に収録
☆iTunes先行リリース