【SUMMER SONIC EXTRA】ディアンジェロ単独公演レポート

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昨年末、15年ぶりにリリースされたアルバム『Black Messiah』で衝撃の復活を果たしたディアンジェロ。キャリア20年目にして奇跡の来日公演となった「SUMMER SONIC 2015」に続き、8月18日(火)にZEPP TOKYOでのディアンジェロ国内初単独公演が行われました。

ステージは、開演予定時刻が過ぎているにも関わらず演奏がなかなか始まりません。心ざわつかせながらもステージから目を離さず、その場からじっと動かない2700人の観客たちの姿が、これがいかに重要なライブなのかを物語ります。

予定から40分以上が過ぎたそのとき、ついにステージが動きます。まず登場したのはザ・ヴァンガードのメンバー。会場に歓声が響き渡るなか演奏がはじまり、ついにディアンジェロが登場!ステージのライトをひとえに浴びて立つディアンジェロの姿には神々しさすら感じさせます。

D'ANGELO AND THE VANGUARD
(写真はサマーソニック2015より)

1曲目は『Black Messiah』の冒頭の曲でもある「Ain’t That Easy」。アルバムでも心を奪われたボーカルとコーラスのアンサンブルは、ライブではさらに巧妙に表現されて、思わず鳥肌が立ちます。そして、ザ・ヴァンガードの圧倒的なグルーヴ感。今までグルーヴだと思っていたものはなんだったんでしょうか?ディアンジェロやザ・ヴァンガードのメンバーが思うがまま楽器を演奏しているような自由さを含みながら、「ここ以外にありえない」という場所にそれぞれの音が組み合わさり、深く大きな一つの流れを生み出します。

「Betray My Heart」ではディアンジェロがギターを置き、ダンスでも会場を魅了します。彼がひとつ動きを重ねるたびにオーディエンスは歓声をあげ、ますますディアンジェロの虜に。また、ベースのピノ・パラディーノの、自由自在に音を奏でつつ絶妙の「間」を表現するリズムは「気持ちいい」の一言。

D'ANGELO AND THE VANGUARD
(写真はサマーソニック2015より)

そして、ファンが20年間待ち望んだ「Brown Sugar」の生演奏は、原曲の雰囲気を変え、ファンク調にして披露します。かつての「Brown Sugar」が持つ深みを残しつつ、新たなサウンドを取り入れた、「今現在のディアンジェロ」のサウンドが現れていたのが印象的でした。会場には涙を流す男性ファンの姿もちらほら。そして「Sugah Daddy」の終盤では、ディアンジェロが即座に出す合図に合わせて、ザ・ヴァンガード全員でリズムを刻む圧巻のパフォーマンスを披露!会場からは悲鳴にも近い歓声があがります。

D'ANGELO AND THE VANGUARD
(写真はサマーソニック2015より)

アンコールの「Left & Right」では、ディアンジェロはギターを黒いストラトキャスターに変えて登場します。なんとこのストラト、かつてジミヘンが使っていたギターとのこと!

D'ANGELO AND THE VANGUARD
(写真はサマーソニック2015より)

ラスト「Untitled」では、ザ・ヴァンガードのメンバーが一人ずつソロを奏で、観客からの惜しみない拍手を受けながら一人ずつステージを去っていきます。そしてステージにはディアンジェロだけが残り、キーボードを演奏しながら熱唱。観客との気持ちのいいコール&レスポンスを堪能します。2時間弱に及ぶライブは深い余韻を残しながら、静かに幕を閉じていきました。

サマーソニックエクストラ D’ANGELO AND THE VANGUARD単独公演

2015年8月18日(火)
会場:東京・ZEPP TOKYO

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SUMMER SONIC 2015