NINE INCH NAILS

【ソニックマニアライブリポート】NINE INCH NAILS

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ソニックマニア2018、ヘッドライナーとして登場したのは、インダストリアル・ロックバンド、ナイン・インチ・ネイルズ。日本での公演は2014年の日本ツアー以来、4年振りです。クリスタルマウンテンステージには多くの観客が集まり、その人気の高さを感じさせました。

 「Branches/Bones」でステージ開始早々、「ついて来いよ」と言わんばかりの疾走感。変則的なのにキャッチーで心地の良い曲、そしてそれを魅せる演奏力の高さ。勢いがあって目まぐるしいサウンドなのに、オーディエンスを置いていくということはない。それどころか会場を一体化させてしまう。これこそNINの真骨頂です。セットリストも素晴らしく「Wish」「Less Than」「March of the Pigs」など、新旧人気曲を織り交ぜた選曲で、途中、David Bowieの「I’m Afraid of Americans」のカバーも披露しました。まさにソニマニにピッタリなエンターテイメント性抜群の完璧なセトリでした。

 終始、天才トレント・レズナーが放った絶妙な空気感が観客たちを虜にしていましたが、今回のパフォーマンスで特に印象的だったのが、ドラム。選曲も相まってドラムの心地よい音色が際立っていました。ナイン・インチ・ネイルズは正式な固定のドラマーはいないですが、まさに「スーパードラマー降臨!」と言わんばかりのプレイでした。パワフルで安定感もあり、超絶ドラムテクニックも持ち合わせていて、まさに完璧。そして、その完璧なドラムに重たいベースやキラキラした轟音のギター、叫びのような心に響くボーカルが重なったとき、こんなにもエモい演奏になるものなのだと感動しました。これらもすべてトレントの計算のうちなのでしょうか。
 「The Hand That Feeds」「Head Like a Hole」などでノリノリに盛り上がったあと、「Hurt」でキレイにまとめる。こんなに楽しいライブがあっていいのでしょうか。やはりトレントが天才であると証明されたステージでした。