【ソニックマニアライブリポート】ROSS FROM FRIENDS


生演奏でなく、テクノやハウスなど電子音楽によってグルーヴを生み出すことは可能だろうか?DisclosureやThe xxが好例だが、またひとり(この日は3人だったが)そこに名乗り出るアーティストが現れた。『Family Portrait』によってBrainfeeder入りを決めた、Ross From Friends。前二組と同じくUK出身のアーティストである。

 この日はRoss From Friendsことフェリックス・クラリー・ウェザオールのほかギターとサンプラーを入れた編成だが、まるでテクノのロングセットをバンドで実践しているかのような内容であった。フェリックスの父親もまた80年代のレイヴ全盛期を謳歌したアーティストであったそうで、その影響をダイレクトに受けている印象を受ける。かつ、マッドリブばりのサンプリング感覚も持っており、演奏の内容たるや凄まじくカオスであった。環境音をサンプリングし、ローファイな4つ打ちの上でドンチャカドンチャカ…。『Wear Me Down』はその典型である。ウィスパーな女性ヴォーカルと、おかず感満載のハウストラック。80年代~現在を繋ぐネタ使いに、自宅の棚がレコードで埋まっているようなマニアには溜まらないだろう。

 ライブの様子も、終始ナードな雰囲気が漂っていて大変素晴らしかった。彼の名を知らしめるきっかけになったEP『You’ll Understand』からは『Talk To Me You’ll Understand』をプレイしていたが、ここでも通底する“愛すべきオタク感”。やはりUK出身のギークっぷりは深い。3人が横一列に並んで脇目も振らずに機材に没頭する様子は見ていて微笑ましかった。EDM以降、ビッグルームから再びアンダーグラウンドなテックハウスに回帰している節があるが、その先にRoss From Friendsが居ると嬉しい。そういうアーティストが、Brainfeederという世界屈指のインディーレーベルから出てきたのも嬉しい。そう思ったライブパフォーマンスであった。

text:AndMore!編集部

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