普遍的な音楽を紹介するショーケースイベント「Alternative Tokyo」レポート

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3月16日(土)に東京・渋谷WWW、WWWXにて「Alternative Tokyo」が開催されました。

「Alternative Tokyo」は、商業的な音楽や方法論的な流行音楽とは一線を引き、時代の流れに捕らわれない普遍的な音楽を中心に、ART展示やトークセッション等を通じてそれぞれのコンテンツを紹介していくことを理想とし実践していくイベント。当日、会場には多くの音楽好きが集結しました。

柴那典をモデレーターに近田春夫曽我部恵一(サニーデイ・サービス)が「ポピュラーミュージックの行方」をテーマに語るトークセッションでは、二人の共通点や音楽の作り方、ストリーミングサービスの普及による音楽の聴き方の変化から、好きなBPMや料理の話題まで、台本も打ち合わせもなしという中で3人ならではのセッションが繰り広げられました。

近田春夫×曽我部恵一×柴那典

ART部門では文化庁メディア芸術祭優秀賞や世界的なメディアアート賞であるアルスエレクトロニカにて栄誉賞を受賞するなど国内外で注目を集める市原えつこが登場。ロボットに姿を変えた死者と49日をともにする新しい形の弔い「デジタルシャーマン」や「セクハラ・インターフェース」が展示されました。

市原えつこ

2006年より開催されてきた伝説的即興バトルイベント「BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE in Alternative Tokyo」が今回のイベントで復活。[VERSUS I]では青葉市子VegetableSatellite角銅真実、[VERSUS II]では松下敦(ZAZEN BOYS/Buffalo Daughter) VS 大垣翔(トリプルファイヤー) VS 林頼我(公募選抜)が出演し、アーティストによる息を呑む”VERSUS”セッションで会場は熱気に包まれました。

VegetableSatellite
松下敦VS大垣翔VS林頼我

ライブステージではカネコアヤノイ・ラン青葉市子など今注目のシンガーソングライターが圧巻の演奏を披露。

第11回CDショップ大賞を受賞し話題を呼ぶ折坂悠太は満員の会場で代表曲となった「平成」から新曲までを披露し観客を魅了しました。

タモリ倶楽部の出演で話題を集めるロックバンド、トリプルファイヤーや石若駿率いるポップスプロジェクト、SONGBOOK PROJECTはイベントのテーマでもある「時代の流れに捕われない普遍的な音楽」を披露しました。

本イベントで解禁となった曽我部恵一の新プロジェクト、曽我部恵一 抱擁家族細野しんいちMC.sirafu平賀さち枝加藤雄一郎をメンバーに迎え、ラップ曲をメインに披露。曽我部恵一はドラムセットで出演し、シンセサイザーやスティールパン、管楽器などを使ったサニーデイ・サービスともソロとも違う編成で観客を一気に惹き付けました。

本イベント唯一のDJセットでの出演となった近田春夫+DJ OMB。メンバーの急病により出演が叶わなくなった近田春夫率いるバンド「活躍中」に代わり、近田春夫ソロ楽曲とLUNASUN楽曲で会場を盛り上げました。

ラストを飾ったのは、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞するなどアーティストとしても活躍する蓮沼執太が率いるポップオーケストラ、蓮沼執太フィル。この日のために作られたイ・ランとのコラボ曲から始まり、代表曲「ONEMAN」を含む豪華なセットリストを披露。ラップとオーケストラのセッションや壮大な演奏で会場を包みました。

蓮沼執太フィル