Photo:Yosuke Torii

  • 2017/11/09

12月に来日公演を行うデクラン・マッケンナ、完売公演となったロンドン・KOKOのライブレポートが到着


デビュー・アルバム『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』を携え10月よりヨーロッパ、UKツアーがスタートしたデクラン・マッケンナ。ソールド・アウト公演が続出となり話題を集めていたが、11月3日、ロンドンのKOKOにて行われた公演のレポートが到着。

<11月3日 KOKO  ロンドン ライヴ・レポート>

英国の新しき「世代の声」として華々しく登場した現在18歳のデクラン・マッケンナ。デビュー・アルバム『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』リリース後のツアーのハイライトとなるロンドンKOKOでのライヴを11月3日に見てきた。

 機材セットアップの間に、Abbaとかa-haとかMGMTとか、かなりランダムなチョイスの曲がかかり、その時点からすでに客席のモッシュとシングアロングが始まっていた。「オー、デクラン・マッケンナ!」コールが巻き起こる中、デクランとバンドが登場すると、普通のシングアロングが絶叫シングアロングに変わった。オープニングからノリのいい「ザ・キッズ・ドント・ワナ・カム・ホーム」。弾むリズムに合わせて、全員がジャンプ・アップ&ダウン。ティーネイジャーの凄まじいエネルギーが会場を揺るがす。女の子の方が多いのかなと思いきや、男子の数も多く、中学・高校の教室がそのまま移動してきたかのよう。14歳以下は保護者同伴のこと、となっているため、後方には親や祖父母たちが控え、あたかも保護者参観日にスクールディスコが展開しているかのような光景だ。この日のライヴでは以前よりもバンドの演奏が格段にタイトになり、デクランのヴォーカルは力強さを増し、演出もこなれてきて、目を見張る進歩を見せていた。

いきなり天井から金テープが降り注ぎ、1曲目から全開、全力疾走。「メイク・ミー・ユア・クイーン」「ベツレヘム」などアルバムからの代表曲が続き、「マインド」になだれ込む頃には、モッシュの渦から湯気が立ち昇り、会場が霞んだようになっている。「マインド」のあとでデクランは一旦立ち止り、「KOKOは僕が13歳の時、初めてギグを見た場所なんだ。だから、今日のギグは僕にとって、とても大切なんだ」と語りかけ、会場から大きな歓声が上がった。それにしても、初ギグから5年でそこのステージに立っているというのはスゴイ。

Photo:Yosuke Torii

 アルバムの冒頭に入っている「これから僕のニュー・アルバムの曲歌うね」というデクラン4歳の時の音声が流れ、前半のハイライト「ヒュモンガス」に突入。この曲でのデクランの勢いとバンドのキレのいい演奏は圧巻。とりわけ、ギターのイザベル・トレスとドラムスのギャビ・キングの女子2人による女の細腕ならぬ女の凄腕パフォーマンスには圧倒される。

 後半のハイライトは「ホワイ・ドゥ・ユー・フィール・ソー・ダウン?」。どうしてそんなに落ち込んでるの?なんて歌詞をみんなでこんなに陽気に歌ってしまうのは、実にデクラン的体験だ。重いテーマや社会問題をみんなで歌えるポップソングに仕上げてしまう彼のソングライターとしての力量に、改めて感心させられる。それどころか、彼の曲はポップなだけでなく、かなり実験的な音が入っていたり、ライヴ用にアルバムとは違う変わったアレンジが施してあったりし、こんなところにも彼の「只者でなさ」が感じられる。

 ラストは「ブラジル」。デクランが世界から注目されるきっかけとなった、国際サッカー連盟の腐敗を歌った曲だ。ライヴ開始時はほぼ全員がスマホで録画か撮影をしていたが、この頃になると、もうみんな歌うのと踊るのに忙しすぎてスマホのライトの数が減っている。そう、デクランのライヴはモニターを通して見るよりリアルで体験するのが正解だ。曲が終わると、バンド紹介。そして、デクランは王者のように両手を広げ、オーディエンスの海へと静かにダイヴした。ファンたちは自分たちのヒーローを大切に支え、移動させる。等身大のアイドルと観客のコラボとも言えるこんな場面で、両者の一体感が最高潮に達した。

 アンコールは「リッスン・トゥ・ユア・フレンズ」。歌だけでなく、セリフの部分まで会場中が大合唱。この曲や「ザ・キッズ~」「ホワイ・ドゥ・ユー~」みたいな曲は、若いオーディエンスにとって、きっと一生忘れられないアンセムになるだろう。アルバムの本編11曲に「ベーシック」を加えた全12曲。暖かく美しい余韻を残してライヴは終わった。

DECLAN MCKENNA
Photo:Yosuke Torii

 お茶目で、キュートで、ヒョーキンで、それでいてちょっと変わってて、アタマいいのにバカなこともやっちゃう「クラスの人気者」キャラ、デクラン。彼はそんな面影を残しつつも、確実にスターのオーラを身に付け始めている。

 帰りがけに、何人かのファンにデクランの魅力を聞いてみた。

「ウーン、言葉にできない。とにかく全てが好き。政治のこととかはよくわからないけど」(汗だくで目の下のグリッターがはがれかかった14歳の女の子)、「とにかく彼の音楽が好き。それだけ」(16歳の女の子)、「彼、性的少数者の苦しみを歌ってるでしょ。世の不正のことを歌ってるでしょ。そんなところが深いなって思うのよ。重要なことを歌ってるところが、そこらのミュージシャンと違う。同年代で、って実は私の方が2歳上なんだけど、よくあんな歌詞が書けるなと思うわ」(20歳、女性)

 こんなところが代表的な答だ。調査数は少ないが、年齢が低いほどデクランをアイドル視し、年齢が上がるにつれて、彼の社会的メッセージを真剣に受け止める傾向があるのがわかる。当たり前といえば当り前の結果だが、年齢によって違う聴き方ができる、デクランの曲の多面的な魅力がこんなところから浮彫りになってくる。

 さて、12月14日の日本公演。英国のファンに負けないように、歌詞を全部覚えて歌いまくろう、と言いたいが、デクランの歌詞は実はなかなか難しい。なので、せめてアンセミックな部分だけでも一緒に歌いたいもの。さらに、「オー、デクラン・マッケンナ!」コール(メロディはホワイト・ストライプスの「セヴン・ネイション・アーミー」冒頭部分)が日本でも起こったりすると、本人もうれしいかもしれない。

レポート:清水晶子

12月上旬のイギリスでの追加3公演は既に発表となっていたが、再追加公演として4月にロンドンのO2 Forum Kentish TownとマンチェスターのManchester Academyでの公演が先日アナウンスされた。12月のイギリスでの追加公演後は待望の日本公演の為、再来日を果たす。

【DECLAN MCKENNA LIVE IN JAPAN 2017】
2017年12月14日(木)
会場:東京 渋谷CLUB QUATTRO
公演詳細はこちら

<関連リンク>
デクラン・マッケンナ | ソニーミュージック オフィシャルサイト
DECLAN MCKENNA | CREATIVEMAN PRODUCTIONS

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