ラウドパーク無遅刻・無欠席!レコファン店長が語るメタル初心者でも楽しめるラウドパークの魅力

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10月10日、11日にさいたまスーパーアリーナで開催される日本最大級のメタル音楽の祭典「LOUD PARK 15」(ラウドパーク)。記念すべき10周年となる今年のヘッドライナーには初年度と同じく、SLAYER(スレイヤー)とMEGADETH(メガデス)が登場! それ以外にも豪華絢爛なアーティストが名を連ねました。今回はこの記念すべき祭典への参加を検討している人や、今年初参加となる人に向けて、開催初年度から毎年参加しているレコファン渋谷BEAM店の小野 勝さんに、ラウドパークの魅力や楽しみ方を教えてもらいました!

レコファン渋谷BEAM店 店長 小野勝さん

Profile:小野勝さん
レコファン渋谷BEAM店の店長。中学2年生の頃MTVで観たDef Leppard(デフ・レパード)に影響を受け、メタルに目覚める。一番好きなバンドはIRON MAIDEN(アイアン・メイデン)

ファンとアーティストが相思相愛。だから10年続けられる

―まず、小野さんが思うラウドパークの魅力について教えてください。
毎年メンツがすごいというのはいうまでもありませんが、これまではステージが2ステージだったので、観ようと思えば全部のステージを観ることができる、という点も大きな魅力でした。また、待ち時間やステージ間の移動時間も少なく、ストレスがなくライブを観ることができるのも他のフェスに比べて魅力的なところ。今回はさらに規模が拡大して3ステージになりますが、どういった形になるか期待したいですね。

―なぜ、10周年を迎えることができたと思いますか?
やっぱりヘヴィメタルやハードロック系の音楽ファンが、日本でのヘヴィメタル系のフェスに飢えていたんだと思うんですよ。実はラウドパークが開催される以前には Beast Feast(ビースト・フィースト)というヘヴィロック系のフェスが2001年と2002年に開催されていました。でも、2年で開催が途絶えてしまって…。それからラウドパークが開催されるまでの3年ほどの間、メタル・ハードロック系の音楽ファンにとって辛い時期だったと思うんです。そんな中、ラウドパークの開催が決まって、僕自身『キター!』という気持ちでした。

それからメタルのファンは1度好きになったアーティストをずっと応援する傾向にあって。どんなにひどいアルバムを出しても、来日したら一応ライブには行く人が多い(笑) それで、結構盛り上がるんです。だからこそ、アーティストの来日機会が減らない。言ってみれば、アーティストとファンの関係性が一方通行ではなくて、相思相愛なんです。他のジャンルのフェスだと、レジェンドクラスのバンドをこれだけ多く集めることは難しいのではないかと思いますね。そういうこともあって、多くのファンはラウドパークを『お正月』のような気持ちで迎えるんだと思います。メタルファンは気持ちが熱い人が多いですからね。

―ラウドパーク無遅刻・無欠席の小野さんですが、これまで観た中で、ベストアクトを3つ選ぶとしたら、どのライブになりますか?
1つ目は、2007年のラウドパークに登場した、元BLACK SABBATH(ブラックサバス)のメンバー4人が在籍していたバンドHEAVEN AND HELL(ヘヴン・アンド・ヘル)です。僕にとって2010年に亡くなったロニー・ジェイムス・ディオを観ることができた、最初で最後の年なんです。

2つ目は、初年度に登場したスウェーデンのプログレッシブ・デスメタルバンドOPETH(オーペス)ですね。僕は限定Tシャツをゲットするために並ぶのに一生懸命だったため、全部を観ることはできなかったのですが、このラウドパーク以来、アルバムが出るたびに来日してくれるようになったので、とても印象深いです。

3つ目は、会場のお客さんです。ラウドバークに来るお客さんの何がすごいって、ヘッドライナーの来日がキャンセルになったとしても、結局楽しむんですよ。そうしたファンの姿勢に触発されて、ヘッドライナーに繰り上がったアーティストも気持ちのこもったパフォーマンスを披露してくれる。こういうお客さんとアーティストの関係性にグッときますね。

初心者必聴! にわかファンでも楽しめる3枚のアルバムとは?

―今年初参加となるラウドパーク初心者のお客さんに向けて、これを聴いておけば大丈夫というアルバムを3枚紹介してもらえますか?
メタルのライブは決め曲があって、それを一番いいタイミングでやるものなのです。なので、決め曲を押さえておけば、初心者でも思いっきりライブを楽しむことができるんですよ。

まず紹介したいのが、今年の1日目のヘッドライナーを務めるSLAYERの神アルバム『レイン・イン・ブラッド』です。アルバムの最後のトラック「レイニング・ブラッド」はライブで必ずといっていいほどパフォーマンスする曲なので、チェックしておけば間違いなくライブを楽しめるでしょう。ちなみに9月に11枚目となるアルバム『リペントレス』を出しました。そちらも合わせて聴いておけば、完璧だと思います。

2つ目に紹介したいのが、アメリカのスラッシュメタルバンドで、今年の1日目のULTIMATE STAGEに登場するANTHRAX(アンスラックス)の『アマング・ザ・リヴィング』というアルバムです、こちらに収録されている「コート・イン・ア・モッシュ」や「インディアン」もライブでの定番曲ですから、押さえておきたいですね。

3つ目に紹介したいのが、1日目のトリを飾るMEGADETHの1990年に発売された傑作アルバム『ラスト・イン・ピース』です。ライブの決め曲としてよく披露されるのが、1曲目の「ホリー・ウォーズ…ザ・パニッシュメント・デュー」と2曲目の「ハンガー 18」。これをチェックしておけば、もうMEGADETHのライブを観たようなものです(笑)

紹介してくれた3枚のアルバムについて、熱く語っていただきました!
紹介してくれた3枚のアルバムについて、熱く語っていただきました!

―では小野さんが今年のラインナップの中で、個人的に注目しているアーティストを教えてください。
1日目に登場するアグレッシヴ・へヴィメタルバンドARCH ENEMY(アーチ・エネミー)です。今年は10周年ということもあって、『スペシャルなパフォーマンスをやる』と公言しているので、かなり楽しみですね。個人的にはギターのマイケル・アモットの弟で元メンバーのクリストファー・アモットが率いるバンドARMAGEDDON(アルマゲドン)が2日目に出演するので、競演があったらいいなと淡い期待を持っています。

また、2日目に出演するTHE LOCAL BAND(ローカルバンド)は、今回が日本で観られる最初で最後の機会かもしれません。というのもこのバンドは、チルボドの名で親しまれるフィンランドのメロディックデスメタルバンドCHILDREN OF BODOM(チルドレン・オブ・ボドム)のギタリスト、アレキシ・ライホが率いる80’sメタルのカバーバンドなんです。いい意味で趣味的なバンドなので、これは観ておきたいですね。

再結成組・再始動組にも魅力的なバンドが多く、1日目のBACKYARD BABIES(バックヤード・ベイビーズ)や2日目のDIZZY MIZZ LIZZY(ディジー・ミズ・リジー)も確実に観ておきたいアクトです。

ちなみに小野さんの自宅には、1000枚以上メタル関連のTシャツがところ狭しと置かれているそう(写真)。メタルへの愛の深さをうかがい知れます!
ちなみに小野さんの自宅には、1000枚以上メタル関連のTシャツがところ狭しと置かれているそう(写真)。メタルへの愛の深さをうかがい知れます!

―最後にお聞きしますが、日本でメタルが今盛り返している理由はなんだと思いますか?
先程もお話した通り、来日したら多くのファンがライブに行くというのも大きいですが、他の要因としてメタルサウンドのアイドルが出てきたことも大きいのではないでしょうか。特にBABYMETAL(ベイビーメタル)の功績ってすごいと思います。ハードルが高そうに思われるメタル系、ハードロック系の音楽を分かりやすい形で表現したんですよ。だってBABYMETALの曲ってすぐ歌えてしまうじゃないですか(笑) 実はメタル系の音楽も爆音でへヴィでありながら、主旋律のメロディーやギターリフがキャッチーなものも多くて、歌いやすいんですよ。ですから今までBABYMETALしか聴いてこなかったという人も、その時点で十分にメタル音楽への最初の一歩を踏み出していると思います、気になったバンドがいたら、ぜひ足を運んでほしいですね。


メタル音楽は敷居が高いと思われがちですが、小野さんの話を聴いてみると、意外とそうではないことがわかりますね。まずは一度足を運んでみると、最高の新しい音楽との出会いが待っているはずですよ!

text:冨手公嘉  写真提供:小野勝

<店舗情報>
レコファン渋谷BEAM店
中古盤から最新盤までCD、レコード、DVDの販売&買取を取り扱う大型専門ショップ。店舗面積は800㎡で総在庫数30万点を誇る。「LOUD PARK 15」のチケットも店頭販売中。

〒150-0042

東京都渋谷区宇田川町31-2 渋谷BEAM 4F

営業時間:11:30-21:00
TEL:03-3463-0171
http://www.recofan.co.jp/index.html

「LOUD PARK 15 10th ANNIVERSARY」

2015年10月10日(土)
2015年10月11日(日)
会場:さいたまスーパーアリーナ
LOUD PARK 15 10th ANNIVERSARY