【ホステス・クラブ・オールナイターライブリポート】Cigarettes After Sex

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今年の6月にリリースされたシガレッツ・アフター・セックスのデビュー・アルバム、『シガレッツ・アフター・セックス』に一耳惚れし、タワレコで即買いした。スロウダイヴばりの美しい旋律と、グレッグ・ゴンザレス(Gt.&Vo.)の儚い歌声。精神が弱っていたりすると、たちまち心を奪われる。お手本のようなベッドルーム・サウンドだ。23時半からスタートとあって、まどろみながら聴いた次第である。

どの楽曲もテンポやメロディが似通っているのだけれど、ずっと聴いていられる。陳腐な表現かもしれないが、ギターのリフが星空みたいだった。照明が必要最低限程度だったのだけれど、光の不足分を音が補っているような、音と光の絶妙な関係。今回は『Affection』が特に素晴らしかった。メランコリックな夜にピッタリで、ちょっぴり涙腺に来る。

そしてこれが今回の最大の発見なのだが、彼らはライブがすこぶる上手い。サウンドエンジニアも優秀なのだろう。個々の音のバランスがよく取れており、CD音源よりも完成度が高かった。『Apocalypse』も『Dreaming of You』も、ライブで聴くと表情が豊かである。

夜の深みに潜るのには、あまりに最適な音楽であった。轟音系のバンドが多く名を連ねる今回のホステス・クラブ・オールナイターだが、良い夜になりそうだ。素敵な夜更かしにしよう。

Text:AndMore!編集部 Photo:Tadamasa Iguchi

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