【サマソニ出演!】TOTALFAT「漢祭 -FAT BOYZ DREAM!!-」ライブレポート

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「SUMMER SONIC 2015」をはじめ、数々の夏フェスに出演するTOTALFAT。
NOFXのコピーバンドとしてスタートし、これまでにTHE OFFSPRINGのオープニングアクトなどを務めてきた彼らの曲は、「これぞ夏フェス!」といったアッパーチューンが盛りだくさん。

そんなTOTALFAT自ら企画した祭「漢祭 -FAT BOYZ DREAM!!-」。参加者は男限定で、メンバーもスタッフも全員男!これは見ないわけにはいかない!と、7月29日の下北沢SHELTERへ出向き、3時間もの白熱のライブを体験してきました。
今回は「SUMMER SONIC 2015」のライブに参加する人にぜひ読んでもらいたい、TOTALFAT「漢祭 -FAT BOYZ DREAM!!-」のライブレポートをお届けします!

「お前ら、そんな男じゃないよな!」TOTALFATのアツい漢の魂から祭がはじまる!

スタート前、男たちの妙な緊張感が広がる会場が暗転し、スピーカーから聞こえはじめたのは和太鼓の響きと、聞き覚えのあるメロディー。これは、北島三郎の「まつり」!オーディエンスに笑みがこぼれると同時にテンションもあがります。
そしてステージにTOTALFATが登場。メンバー4人が着ているTシャツの胸元には、それぞれ「草食」「チカン野郎」「インポ」「ヘタレ」と大きく書かれた文字。Shun(ボーカル / ベース)がオーディエンスにむかって「お前ら、こんな男じゃないよな!」と叫ぶと、メンバー全員がシャツを引き破き会場を沸かせます。

Jose(ボーカル / ギター)が「今日はあえてこう呼びます……兄弟たちよ!お前らやれんのか!」という声とともに弾き始めたのは、シングルにもなった夏を盛り上げるアッパーチューン「夏のトカゲ」。会場は一気にヒートアップ!
TOTALFATはたてつづけに「Room45」「Good Fight & Promise You」「PARTY PARTY」を演奏。「ぜんぜん足りねーぞ!」の声に対してオーディエンスは激しいモッシュ&ダイブで応えます。男たちが汗をかき、激しくぶつかり、ひしめきあう姿はまさに日本の祭!

「バンドってのは『誰とやるか』なんだ」オーディエンスの相談に漢らしく答える一幕

otokomatsuri

4曲を終えたあとTOTALFATは「ここからは、セットリスト考えてないんだよ。せっかくのこの男祭だから、男同士で熱く会話しないか?」と提案し、「本気で悩んでるやつはいないか?」と男同士のアツい相談がはじまります。
「芸人になりたい」「彼女ができない」という悩みに対し、ときには下ネタ全開の笑いを飛ばし、ときにはシビアに忠告し、本気のアドバイスを送るメンバーの姿に思わず「アニキ!」と呼びたくなります。そして、それぞれの悩みに対し、その場で演奏する曲を決め、相談者の背中を押すようにアツく歌います。

一つの相談に「元々友人のバンドメンバーと音楽のことで喧嘩をしてしまい、連絡が取れない」というものがありました。Joseは「バンドってのは『誰とやるか』なんだ。俺たちも好きな音楽がバラバラだよ。俺はロックンロールが好きで、チャックベリーとかミッシェル・ガン・エレファントに憧れてたし、Kuboty(ギター / コーラス)はハロウィーンが好きだしね」
そしてShunが「それでもこうやって続けてきて、いまが一番楽しい。だから、昔Bunta(ドラム / コーラス)が『いまの状態でいいのかわからない』って泣きながら電話してきたとき、その流れを断ち切るために作った曲をやるよ」と「Just Say Your Word」を演奏。
「すれ違いに気づけた僕らは今きっと / 溢れ出した言葉から声を紡ぐんだ / 痛み出す前にひとつの想いを / 聞かせてよ声を」
歌声がフロアに響き、オーディエンスが沸き立つなかで、相談した青年の晴れやかな顔と、両手の拳を固く握りしめ天井高く掲げる姿が印象的でした。
「この相談コーナー楽しいわ!もうこれだけのライブもやりたいくらい」とメンバーも笑顔を浮かべます。

漢祭ならではの一際アツいアレンジも披露!

「ここからはKubotyのメタルコーナー!」とKubotyがセンターに移動し、激しくも華麗な早弾きからの「Angry Shotgun」を演奏したあと、「いまから俺たちの世代が好きな曲を、どこまでも男らしくアレンジしてやるからな!死のドライブへ!」と、はじまったのはL’Arc-en-Cielのトリビュートアルバムにも収録したTOTALFAT版「Driver’s High」!
「地平線に届くように / 限界まで振り切ってくれ」という歌詞がまさにいまの彼らの姿を表しています。オリジナルとは一味違うオスっ気溢れるアツい演奏で、Buntaの疾走感のあるビートのなか強く踏まれるバスドラムが会場を響かせました。

TOTALFATが漢祭にかける思い

終盤、Shunが「俺たちの前に、ここSHELTERで男だけでライブをやったバンドがいて、それがPay money To my Painだった」と、若くして惜しくも亡くなったPay money To my PainのボーカルKへの思いを語ります。
「だから、アンコールがあるから体力を残しておくとか、当然のように明日がくるとか、そういう生活はやめないか?今日できることは全部やり、明日に残していいのは希望だけだ!」と、最新アルバムに収録した「This Life」を披露。
「君が最期に教えてくれた / 燃えるように生きていく意味 / 僕に残された時間を生きるよ / もっと」
この曲はKが亡くなった2013年にTOTALFAT作ったもので、特別な思いがこもっています。オーディエンスもこの日一番の声を枯れんばかりあげます。

ライブハウスが教えてくれたこと

アンコールでは「別に男限定だからって女に来てほしくないわけじゃない。だから、今日どんなに楽しかったか、女の子や来れなかったやつに自慢してやろうぜ!一人じゃないって、ライブハウスが教えてくれたんだ!」と「Place to Try」を演奏。フロアには、メンバーが煽らなくとも、会場の観客同士が輪となって飛び跳ねたり、ハイタッチする姿がありました。このフロアの喜び溢れる姿が、TOTALFATのライブの魅力です!
最後の曲は「DA NA NA」。観客は笑顔を輝かせながら、最後の体力を振り絞るように、いっそう激しくモッシュ&ダイブを繰り返します。演奏終盤にJoseが「もう一回いくぜ!」と叫び、演奏を止めずに再度「DA NA NA」がスタート!繰り返すたびにオーディエンスの熱気は上昇していく様子はまさにお祭り騒ぎ!演奏後にShunが「女を守るのはお前らだ!次のライブでもかかってこいよ!」と熱く叫び、漢の祭は幕を閉じました。

ライブの途中「明日、大切なライブの発表があるからな!」とオーディエンスに伝えていました。その大切なライブとは、ツアーのプレイベントであり、9月24日(木)に行われる地元八王子でのワンマンライブです!

1999年9月25日に結成したTOTALFATが、結成前夜と同じ日付の9月24日に地元でライブを行うということで、これもまた特別なライブとなるでしょう。

こうして「漢祭 -FAT BOYZ DREAM!!-」は幕を閉じましたが、今年の祭はこれからが勝負!ライブ中にShunが「今年も夏フェスに出るけど、どんなに大きなフェスでライブしても、お前らは今日の勢いできてくれるよな!」と語っていました。
「SUMMER SONIC 2015」では、東京には8月15日(土)のパークステージ、大阪では8月16日(日)のフラワーステージに出演するTOTALFAT。誰よりも漢らしく、アツいライブを見せてくれるでしょう!
さあ、祭はまだまだ終わらない!男も女もTOTALFATの漢の魂を全身で受け止めよう!
「SUMMER SONIC 2015」TOTALFATページ

text:鵜飼慶樹