有名人フェスフリークが語る!
「サマーソニック2015」の見どころ、聴きどころ

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Vol.01(後編) 大谷ノブ彦さん(ダイノジ)

Vol.01(前編)一番影響を受けたアーティストは、エルヴィス・コステロ!

ロックが好き、音楽が大好きという著名人が毎回登場し、「サマーソニック2015」を語るインタビュー企画。今回は、前回に引き続き、大谷ノブ彦さんが登場。後編では、「サマーソニック2015」の注目アーティストについてや大谷さん流のサマーソニックの楽しみ方などを、たっぷりと、じっくりと教えていただきました!

“世界の多様性をフェスで表現する”のがサマソニかなと思います

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――「サマーソニック2015」の見どころや注目アーティストを教えてください。
大谷 1日目で言うと、去年のグラミー賞アーティスト、マックルモア&ライアン・ルイスは、めっちゃ観たい。『same love』っていう曲があるんですけど、歌詞の1行目が『僕はゲイかもしれない』から始まるんです。自分はゲイかも知れないと自問自答しながら、愛って全部同じものなんじゃないかっていう答えに行き着く、というヒップホップのナンバー。R&Bやヒップホップって性差別が激しい世界なのに、この曲がグラミー賞を獲ったんですよね。グラミー賞のパフォーマンスで同性愛者と、皮膚の色の違う人たち30組の合同結婚式をやったんですが、曲が2番になった時に、あのマドンナが登場した。実は、マドンナは20年以上も性差別と闘ってきたアーティストなんです。そのグラミーのステージを観て、思わず泣いてしまいました。

――それは革新的なことですね、すごい!
大谷 今のアメリカのヒップホップ、今のアメリカの価値観をそのまま観られるのが、マックルモア&ライアン・ルイスのステージだと思っています。1日目は、ゴス界スター、マリリン・マンソンもいて、かたやティーンのカリスマのアリアナ・グランデもいる。このラインナップが、いろんな価値観を認める、どんな価値観もいいじゃないってことを具現化している気がします。これを2日目のファレル・ウィリアムスの『Happy』が昇華する…。まさに“世界の多様性をフェスで表現する”のが、サマソニかなと思いますね。

フェスは、結局、来て楽しんでいる人が主役

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――すでに、今年のサマーソニックを完璧に見立てられていますが…。
大谷 いや、1つ悩ましいことがあって…。2日目のファレル・ウィリアムスは絶対観たいんですけど、裏でディアンジェロをやっちゃうっていうね(笑)。ディアンジェロの曲は、1曲10分とか相当長いから、ライブがおす可能性があるんですよ。ダッシュでファレルに間に合うかどうか…。本音は、時間をずらして欲しいと思ってます(笑)。だけど、ディアンジェロみたいな天才肌で革新的なR&Bのアーティストをどうブッキングするかって時に、やっぱり、ニッチ感のあるアーティストばかりと組んだら、たぶん世界のフェスと同じになっちゃうと思うんです。同じステージにカーリー・レイ・ジェプセンがいたり、オリー・マーズが共存しているのが、サマソニの良さですよね!

――2日目はとても忙しそう(笑)。ちなみに、大谷さんがサマーソニックで一番楽しみにしていることとは何ですか?
大谷 ハイタッチ!!!(笑)。僕、ずっと恥ずかしくてハイタッチができなかったんですよ。でも、2012年にリアーナがトリをやったライブで、目覚めてしまった。『We Found Love』の最後、みんなでジャンプするのが恒例なんですけど、何かの手違いで予定外の花火まで上がってしまった。その瞬間に、初めてとなりの人とハイタッチしちゃった(笑)。『ハイタッチってこんな楽しんだ! なんだろう、このハッピー感は??』って(笑)。それ以降、サマソニはハイタッチ目的で行くみたいなところがありますね。今年はファレルの『Happy』でハイタッチするって、決めてます。僕、ファレルでハイタッチ、やります!(笑)

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――(笑)! では最後に、大谷さんが思う「夏フェスの魅力」を教えてください!
大谷 音楽をたくさん知っていないと楽しめないなんて、全然思いません。フェスの会場でご飯を食べたり、友達と会って話すだけでもいい。音楽なんてよく知らないけど、好きなアーティストを発見した、っていう方が大事だと思うし、それが魅力だと思います。フェスは、結局、来て楽しんいでる人が主役。フェス未体験の人も、常連の人にも、フェスが生み出すハンパないハッピー感とマジックを今年も楽しんでもらいたいですね。

――ありがとうございました!

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text:石上直美(verb) photos:俵和彦

Vol.01(前編)一番影響を受けたアーティストは、エルヴィス・コステロ!

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Profile:大谷ノブ彦
1972年生まれ、大分県出身。相方の大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジで活躍しながら、洋邦問わない音楽や映画の豊富な知識を活かし、数々の音楽雑誌・映画雑誌にて連載を執筆。また、ラジオのパーソナリティーやロックフェスやクラブでDJをするなど、幅広く活動している。