有名人フェスフリークが語る!
「サマーソニック2015」の見どころ、聴きどころ

  • twitter
  • facebook
  • line

Vol.01(前編) 大谷ノブ彦さん(ダイノジ)

Vol.02(後編)“世界の多様性をフェスで表現する”のがサマソニかなと思います

ロックが好き、音楽が大好きという著名人が毎回登場し、「サマーソニック2015」を語るインタビュー企画。今回は、サマーソニックの出演者でもある、お笑い芸人の大谷ノブ彦さんが登場。前編では、音楽に目覚めた青春時代の思い出話から、サマーソニックの魅力について、今までで印象に残った思い出のギグなど、存分に語っていただきました!

一番影響を受けたアーティストは、エルヴィス・コステロ!

0528_1_02

――大谷さんは、音楽フェスやクラブでDJもするほど音楽に詳しいですが、はまったのはいつですか?
大谷 音楽に目覚めたのは中学3年生の時です。相方(ダイノジ・大地洋輔さん)とクラスが一緒になって、彼の家に泊まり行くことになったんです。彼が夜中にレコードを聴かせてくれたんですけど、それが、パンクロックだった。ラフィンノーズ、ザ・クラッシュ、セックス・ピストルズ…。その時、とにかくカッコいいな! と。それ以降、みんなと好きなバンドがかぶらないように、カッコいいアーティストを探る日々でした。

――ちなみに、一番影響を受けたアーティストは?
大谷 エルヴィス・コステロ! コステロは、声も優しいし、メロディーも美しい。かと思うと、毒舌家で顔は横山やすし・西川きよしのやすし師匠に似ていて、好きになりました(笑)

――ちょっと意外です(笑)。その後も音楽にどっぷり?
大谷 高校生の時は、地元の小さなレコードショップでアルバイトをしていましたし、東京の大学に進学してからは、渋谷でレコードやCDを“dig”する毎日でした。HMVの輸入版を山のように買って、洋楽雑誌もめちゃくちゃ読んでた。ライブにもたくさん行きましたし、音楽三昧の青春でしたね!

サマソニはいい意味で“何でもあり”ですよね

0528_1_03

――次は本題である「サマーソニック」についてお聞きします。常に最新の音楽シーンを見つめ、フェスに数多く足を運んでいる大谷さんが思う、「サマーソニック」の良さとはなんでしょうか?
大谷 サマソニはいい意味で“何でもあり”ですよね。もはや、“それがサマーソニック”となっているのが強みかなと思います。都市型のフェスだから行きやすさもあって、邦楽が好きな子でも背伸びして洋楽に触れられる、入り口のフェスティバルとして魅力があると思います。

――サマソニが“何でもあり”とはどんなところがですか?
大谷 2015年のソニックマニアが特に“何でもあり”。ソニックマニアはダンスに特化していますが、EDMのフェスじゃないんです。EDMアーティストのポーター・ロピンソンとかクルウェラがいるのに、今のEDMの風潮を批判しているプロディジーもいて、挙げ句にマリリン・マンソンを入れる(笑)。で、日本のアーティストは誰かっていうと、電気グルーヴとパフューム。そこはしっくりくる、これはいいぞって(笑)。これが、超サマソニっぽいんです。こういうタフな環境に耐えられるアーティストは、あまり音楽に詳しくなくて、これから音楽を聴いてみたいっていうお客さんに、音楽の熱の火をガッと付けさせることができると思うんです。だからライブを見た人は『俺こういうのが意外に好きなんだ』と感じたり、きっといろいろな発見があると思いますよ。

“ロックマジックってこういうことじゃん”
っていう体験ができるのも、サマソニならでは

――プライベートでも出演者としても、何度もサマーソニックに足を運んでいると思いますが、今までで一番印象に残っているアーティスト、パフォーマンスは?
大谷 僕が今までで強烈に最高って思ったのは、2005年のオアシスです。『Don’t Look Back in Anger』が大合唱になったんですよね。漫才でビートルズの『Let it be』のサビを『レリビー♪レリビー♪』だけ歌って、その後「ふふふ〜ん♪」となるネタが良くありますけど(笑)、英語詞なのに『Don’t Look Back in Anger』をみんながフルで歌えるって、スゴいことですよ! あの時、鳥肌がたちました。

それと、サマーソニックの申し子ともいえるグリーン・デイ。『Minority』って曲の時に、みんなで肩を組むんです。“マイノリティ”って少数派って意味でしょ。それが、肩を組むことで多数派になる。僕は、ロックってひとりぼっちの音楽だと思っているんですけど、フェスはひとりぼっちがたくさん集まってみんなの音楽になる、そういうところが好きなんです。フェスだとそのマジックがより大きくなるから、ちょっと泣けちゃう。“ロックマジックってこういうことじゃん”っていう体験ができるのも、サマソニだと思います。ぜひ、みんなに体験してもらいたいですね!

text:石上直美(verb) photos:俵和彦

Vol.02(後編)“世界の多様性をフェスで表現する”のがサマソニかなと思います

0528_1_04

Profile:大谷ノブ彦
1972年生まれ、大分県出身。相方の大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジで活躍しながら、洋邦問わない音楽や映画の豊富な知識を活かし、数々の音楽雑誌・映画雑誌にて連載を執筆。また、ラジオのパーソナリティーやロックフェスやクラブでDJをするなど、幅広く活動している。