SONIC WAVE

PORTER ROBINSON

この人を表現するのに、もはや「親日家」という言葉では足りませんね。ここまでくれば立派な「知日家」です。恐るべきサブカルモンスター。インスパイアされた先にあるモノの輪郭がはっきりとしており、なおかつそれに対して凄まじい愛情を持っているのも分かります。子供の頃、街中ですれ違っているのではと思うほど、シンパシーを感じるステージでした。

日本アニメのテーマソングやゲーム音楽を、惜しげもなくサンプリングしています。ゼルダの伝説の「嵐の歌」を使ってくれたのは、本当に嬉しかったですね。何の違和感もなく「Sad Machine」に落とし込んでいました。彼のストーリーテリングの巧みさも手伝って、この時点でだいぶ涙腺を刺激されておりましたよ。何より驚いたのは、やなぎなぎの「春擬き(はるもどき)」を「Divinity」とのマッシュアップで使ったことですね。これがもう、最高にクールでした。今や星の数ほど存在するアニソンマッシュアップの中でも、群を抜いてクオリティが高いと思います。さらに、彼のオタク魂が煌めくのは音楽に限ったことではありません。VJがスクリーンに映し出す映像も極めて日本的でした。80年代~90年代に一世を風靡したドット画でストーリーが紡がれるかと思いきや、突如登場するモダンなアニメ。そのどれもが日本人の琴線に触れるものです。これだけ日本を愛してくれると、僕たちも全力で応えたくなりますね。

17日(月)、リキッドルームにてポーター・ロビンソンの単独公演があります。ソニックマニアでのパフォーマンスを見逃した方は、ぜひチェックしてみて下さい。

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Madeon

相変わらず、デッドマウスが他のEDMプロデューサーたちをディスりまくっています。「お前らはステージ上でプレイボタンを押しているだけだ!大金もらってんだから相応のテクニックを見せてみろ!」と、EDMのパフォーマンスのあり方そのものに疑問を感じているようですね。先日もアヴィーチーと火花を散らしていました。

が、そんな罵り合戦とは全く別次元にいるアーティストがいます。それがマデオン。この人のパフォーマンスは、デッドマウスが批判する「ボタン・プッシャー」のそれとは一線を画します。“Launchpad”と呼ばれるコントローラーを自在に操り、独特のステージを展開します。サンプリングした音源を組み合わせ、自分の表現として新たに昇華するんですね。使いこなすのに相当な技術を要するという点で、バンドマンが楽器を演奏するのと何ら変わりないわけです。今回のソニックマニアでも、その才能を遺憾なく発揮しておりました。

大きく分けて3つのパートに分かれます。“The City”から始まるEDM劇場。Nonsenseで幕を開けるトラップワールド。そして終盤に入り、ようやく新作アルバムの「アドベンチャー」的な世界へと突入します。同作品のジャケットが映像として使われたのは、本当に最後の段階です。オープニングとして使われることが多い“Technicolor”もこのフェイズだったことも、何か意図を感じさせますね。次の日への布石だったのかも?マリン・ステージに行った方、如何でしたか?

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