SONIC STAGE

Thom Yorke Tomorrow’s Modern Boxes

日が変わった深夜0時過ぎのマウンテンステージに溢れんばかりの人!今年初の開催となったミッドナイトソニック「HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER」にトム・ヨークがDJセットとして出演するということで、深夜にも関わらずたくさんの人が集まりました。

そしてついにトムが登場し、一曲目はソロ名義のファーストアルバム『The Eraser』に収録された「The Clock」を演奏。トムは機材を操作し、歌い、そして踊りまくります!いわゆるダンスではなく、トム自身が自ら求める音に対して、本能的に体を動かし喜びを表現しているような踊りに、会場も体を揺らします。

続いて「A Brain In A Bottle」ではエレキギターを取り出し、カッティングしながら歌います。DJセットだと聞き、色々と持ってしまった先入観を素敵に裏切ってくれます!

彼独自の高い声をその場で録音し、エフェクトをかけてループしたり、逆再生したシンセサイザーのサウンドが気持ちよく、ナチュラルハイになるばかり。

モニターに映る火山が高速で噴火を続ける映像や、星が広がるCGなどが、トムの奏でるエフェクトのかかった深いサウンドとあわさり、重ねて時間帯もあって、オーディエンスには虚ろな目で体を揺らす人もちらほら。トム・ヨークが作り上げる世界なかでどこまで広がっていく気分になりました。

ノンストップで演奏を終え、オーディエンスの歓声を受けながらトムがステージから去ります。しかし、歓声と拍手が鳴りやまず、皆が祈るように拍手を繰り返すと、再度トムがステージに登場!そしてアンコール「DEFAULT」を披露。気持ちよくリズムラインに、トムも観客も思うがままに踊ります。そして「アリガトウゴザイマシタ!」と楽しそうに挨拶をし、大歓声のなかステージを去っていきました。

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Manic Street Preachers

8年ぶりのサマソニのステージに立ったマニックストリートプリーチャーズ(MANIC STREET PREACHERS)は、今回「MANIC STREET PREACHERS performing ‘THE HOLY BIBLE’」と題して自他共に認める最高傑作のアルバム『THE HOLY BIBLE』の曲を順番通りに全曲披露するいわば「完全再現ライブ」をサマソニで成し遂げました。

メンバーがステージに登場すると大歓声がおきました。わりと新人アーティストが多いソニックステージですが、ヘッドライナーらしくベテランの貫禄溢れる姿に圧倒されました。

セットリストはもちろん『THE HOLY BIBLE』の曲順通り。一曲目の「Yes」から飛ばしまくります。

6曲目の「Revol」では会場が大きく揺れるほどお盛り上がり。観客たちは「リーーボール!!!」と叫びまくります。

ギターをギュインギュイン唸らせていました。

次の「4ST 7LB」では変則的なリズムの難解な曲にもかかわらず安定の演奏力で見せつけられました。

「Faster」では会場のテンションが再びマックスに。イントロのギターの音色が本当に美しかったです。興奮しました。音源で聴くよりも生で聞いたほうがその興奮を味わえるとおもいました。こういうところがフェスやライブのいいところですよね。

「P.C.P」まで『THE HOLY BIBLE』の曲を演奏しきったあと、ここで終わりかと思いきやほかのアルバムの名曲も披露するということで会場は大盛り上がり。

まずは「You love us』。サビでは「ユー!!ラブ!!アス!!ラブアス!!」と大合唱。会場が大きく揺れていました。

続いて1996年にリリースされた『Everything Must Go』より「A Design For Life」。サビでは「We don’t talk about love we only want to get drunk~」と大合唱。

曲の途中でマニックスの歩んできた、「影をともなった栄光の歴史」がふと頭によぎりました。彼らはここまでたどり着くのに幾度となく困難を乗り越えてきたのだと思うととても感慨深い気持ちになりました。

マニックスは音楽よりもそのバンド自体のほうをよくもわるくも評価されがちのバンドでしたが、ここまで演奏力をあげてこんな素晴らしいステージを披露する彼らに過去の面影はありませんでした。

2014年にリリースされたアルバム『Futurology』より「Walk Me to the Bridge」が演奏され会場の観客が一体となってジャンプしたあと、その流れで最後はアルバム『Generation Terrorists』より名曲「Motercycle Emptiness」。

会場のフルボルテージです。みんなが両手をあげて飛び跳ねて大盛り上がりでした。

ギターの美しい音色が胸に突き刺さるような心地でした。

サビでは「モーターサイコーエンプティネス!」と大合唱。ソニックステージのヘッドライナーにふさわしい感動的なステージでした。

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Kodaline

コーダ・ライン(Kodaline)は2013年にサマソニに登場して以来、2年ぶりのサマソニです。

2年前、彗星のごとくサマソニのソニックステージに現れた彼らはまだまだ無名だったにもかかわらず私たち観客の心をがっちりとつかんで去って行きました。

あれから2年。彼らはさらなる成長を遂げてモンスターバンドに成り上がっていたのです。

今回は今年リリースされたアルバム『Coming Up For Air』を引っさげての登場です。今作は前作『In a Perfect World』の美しい旋律に加えてエモーショナルさが加わったアルバムとなっています。

ステージが始まると観客からは手拍子が巻き起こりました。

一曲目は『Coming Up For Air』より「Ready」です。希望に満ち溢れたメロディラインと夏らしい爽やかなサウンドは序盤から観客の心を鷲掴みでした。

続いて同アルバムから『Love Like This』を演奏。マンドリンを用いた爽やかすぎるサウンドに観客はうっとりでした。

激しい音楽ではないのにあまりの曲の美しさに観客たちのテンションがあがってしまい早速会場の雰囲気は大盛り上がり。そんな観客たちを見てボーカルのスティーブも「ジャパンサイコーー!」と嬉しそうにしていました。

その後『Way Back When』、『One Day』など前作のアルバム曲を披露した後、ここで代表曲『High Hopes』。

私は2013年のサマソニでこの曲を初めて聞きましたが、そのとき聴いていたらなぜか自然と涙が流れてしまった思い出があります。

そのくらい人を惹きつける力のある曲です。とくにその威力はライブで発揮されます。

今回も本当に感動的な演奏でした。今回も自然と涙がながれてしまいました。とても綺麗で繊細なメロディラインが私の心をつかんで離しませんでした。

前回と大きく違った点は観客たちがこの曲をよく知っていて一緒に大合唱をしていたということです。この2年間で彼らがどれだけ成長したかを感じることができました。

8曲目に演奏された「Honest」はドラマティックなメロディラインとちょっと工夫されたコード進行がとても印象的でした。「速」と「遅」をうまくつかさどっていました。

最後に演奏された名曲「All I Want」では観客から鼻をすするような音が聞こえてきました。みんな涙が流れてしまったようです。

激しいサウンドではないのにもかかわらずこんなにも観客たちを熱くさせてしまうのは、あまりにも美しすぎるからでしょう。

コーダ・ラインは音源でも十分その美しい音楽を味わえますが、やはりライブでその威力を発揮するバンドであると私は思います。

彼らは私たちに約束しました。「また日本に来る。」と。その言葉を信じてまた彼らの美しいサウンドを体感できる日を楽しみにしたいと思います。

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Best Coast

ソニックステージ6番目に登場したのはベスト・コースト(Best Coast)。ロサンゼルスからやってきた2人組インディーロックバンドです。

ボーカルのべサニーはカリフォルニア出身で、ベスト・コーストの作り出すサウンドもサーフミュージックの入り混じった爽やかな海にぴったりの曲が多く、ステージが始まると会場に一気にカリフォルニアの風が流れました。

今回は3年ぶりにリリースされたサードアルバム『California Nights』の曲が演奏されました。今までのベスト・コーストらしさを残しつつ、今までより重厚なサウンドに仕上がったアルバムとなっています。

タイトル曲である「California Nights」が演奏されると会場は大盛り上がり。

べサニーの癒しの歌声とボブが繰り出す激しいギターが化学反応をおこしビーチサイドにいるような青春を感じさせるサウンドに観客たちは酔いしれました。

最後のほうではライブの定番曲であるデビューアルバムである『Crazy for You』に収録されている「boyfriend」が演奏され会場のムードは一段とベスト・コーストの作り出した世界観に包まれました。

何度来日公演しても毎回安定のパフォーマンスを披露してくれるベスト・コースト。

そんな彼女たちは明日も東京のソニックステージに登場します。今日見れなかった人は是非明日見てみてください。

BEST COAST

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Circa Waves

「もっともホットなバンド」に選ばれたこともあり、いま大注目のCirca Waves。

日本での活動も活発で去年のサマソニにも出演し、1月にはThe 1975の来日公演のサポートアクトを務めたり単独来日公演をしたりと何度か日本のステージにたっています。

しかしながら今回の彼らの演奏を聴いた人は誰しもがこう思ったにちがいません。

「演奏力が格段に上がっている」と。

一曲目の「Young Chasers」から爽やかで若さ溢れるステージ全開でした。

彼らのサウンドは00年代に流行した新しい流れを組み込んだガレージロックの総集編ともいえるキャッチーなサウンドです。初期のザ・リバティーンズに似ていてガレージロックなのになぜかUKな雰囲気がありました。

演奏の途中でサウンドは全然違うのにビートルズの面影を感じました。そしてあとから彼らがリヴァプール出身であることを知り納得しました。

演奏はまるでアークティックモンキーズのようで若いのにスター性に溢れていました。

途中で観客に座らせて一気に立ち上がらせる演出も取り入れ、観客たちは大盛り上がり。最後はデビューアルバム『Young Chasers』よりライブの最後を締める曲の定番となった「T-shirt Weather」。

曲の合間でギターをおいて観客のもとにハイタッチしにいく姿が印象的でした。

思いの外盛り上がったせいか最後の最後にはベースを投げたりシンバルかついだりスティック投げたりと、ハイテンションなメンバーがそれぞれ大暴れしてライブは幕を閉じました

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Slaves

今話題のイギリスのパンクデュオ、slaves。ドラムボーカルのアイザックとギターのローリーの二人組です。

立ちながら水平になっているドラムを力いっぱいたたくアイザックのスタイルはとっても「異様」でまるでドラムをもちながらマラソンをしているかのようでした。その出で立ちとバカ正直なパフォーマンスに思わず笑ってしまいました。

MCもまるで「芸人」。「Where’s Your Car Debbie?」の演奏前には、通訳のデニスさんをステージに呼びこの曲のエピソードを披露したのですが、見た目とは裏腹にデニスさんがあまりにも流暢に日本語をしゃべるのでそこで観客は爆笑。さらに「Where’s Your Car Debbie?」は「イエティに追いかけられて怖がっているときの歌」であるというエピソードで会場は大爆笑でした。

演奏では二人とも、いい具合の「悪さ」がにじみ出ていてかつてのピストルズなど王道パンクバンドを彷彿とさせるようなパフォーマンスをしていました。しかしながら演奏力はかつてのパンクバンドとは比べものにならないくらい高く、”音楽ってのは二人でも十分なんだよ”ということを見せつけているかのようなステージでした。

最後の「Hey」では二人とも楽器投げ捨て観客のもとへ。二人ともとにかく大暴れしていました。アイザックにいたっては観客に向かってダイブしていました。

最後大暴れしてステージに戻ると溜め込んだパワーを吐き出すかのような大音量のサウンドで観客たちは圧倒され観客たちは大盛り上がりでした。とにかく楽しいステージでした。

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Wolf Alice

2010年にロンドンで結成されたwolf aliceは女性ボーカル、エリーを中心に結成された4人組バンドです。

今回は初来日。観客の多くは今回のサマソニで初めて生で彼らのライブを聴いたことでしょう。私もそのうちの1人でした。

ライブ前まで私は彼らのことを”静”なるバンドであると認識をしていました。ピンクの可愛いワンピースに身をつつんだエリーが登場したときにはイメージ通りだなと思いました。

しかし、実際ライブが始まると、それは大きな勘違いであることに気がつきました。彼らのライブはとても激しく、熱を帯びていました。

終始、力強いドラムのビートと激しいギターの轟音に驚かせられました。グランジやシューゲイザーの要素がこんなにも強いバンドだとは思いませんでした。

「You’re A Germ」では手拍子が起こり会場は大盛り上がり。最初のピークを迎えました。その後もエリーの落ち着いた歌声と高いシャウトの静と動のコントラストに圧倒されました。

私が最も印象的だったのはメンバーの演奏スタイルです。激しい間奏には全員が頭を垂れ下げて演奏するなどいかにもUKロックらしい演奏でした。とくにギターのジョフ・オディの演奏スタイルは、かつてのレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドのようで、終始鳴り響く轟音が印象的でした。

8曲目に演奏した「bros」では観客全員が手拍子していました。最後の「Moaning Lisa Smile」では耳に突き刺さるギターのリフに圧倒されました。

ふとスクリーンに観客の様子が映し出されました。気がつけばすごい数の人が集まっていました。初来日でしたがこれをきっかけに今後たくさん来日してくれるといいですね。

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