「今年のサマソニはレディオヘッド!」クリエイティブマン社長インタビュー (前編)
第1弾の出演アーティスト発表もあり、いよいよ今年もサマーソニックが動き出したと感じた人も多いはず。そこで、今回はクリエイティブマンの清水直樹社長に、今年のサマーソニックの動向について、どこよりも早くインタビューを敢行! ステージの構成から、今後のアーティスト発表の話題まで、内容盛りだくさんでお届けします!
13年ぶりにRADIOHEADがサマソニに帰ってくる!
――まずは、ずばり、今年のサマーソニックはここに期待してほしい、というポイントを教えていただけますか。
清水 今年はとにかくRADIOHEAD(レディオヘッド)に尽きます(笑)。サマーソニック(※以下、サマソニ)は、当時、彼らをヘッドライナーにしたいと思って始めたフェスティバルなんです。2000年からサマソニを始めて、ようやく出演してもらったのが2003年。その年から飛躍的に動員も増えたし、認知度も高まりました。やはり彼らはそういう力を持ったバンドなんですよ。だから、13年ぶりに出演してくれる今年は「RADIOHEADのためのフェス」と言っても過言ではないね。
実は昨年の夏の時点で、RADIOHEADが今年のサマソニへの出演を考えているというアプローチはありました。トム・ヨークが昨年のホステス・クラブ・オールナイターに出演してくれたときに、RADIOHEADのマネージャーも来日して、会場を回って今のサマソニがどうなっているのかを一緒にチェックしたんです。今年の出演を念頭に置いての下見ですね。そこでいい感触を得た後に交渉を重ねて、10月くらいに待望のコンファームがもらえたんです。「これで来年のサマソニができた!」と思いましたね。
「今までのサマソニのうちでベストライブは?」という質問に、本当に多くの人がRADIOHEADのライブを挙げます。「最後に『Creep』を演ったあの瞬間は一生忘れられない」と。13年が経ってもまだ人々の心に焼き付いている上に、観ていない人にまで伝説になっているという、まさにサマソニの原点です。その彼らのライブがどう進化して、どう歴史を塗り替えるのか、というのが今年のひとつの大きなテーマじゃないかな。
――第1弾のアーティスト発表があったことで、今年のコンセプトが少し見えてきました。ますます今年のサマソニへの期待が高まっているかと思います。
清水 まず1日は当然、RADIOHEADを中心としたラインナップになりますよね。彼らをリスペクトするアーティストは国内外を問わずにたくさんいますから、そのアクトを中心に組んでいきたいと思っています。最後にレディオヘッドが出てきて大団円という流れだな(笑)。あと、最近のサマソニはポップ寄りのオーディエンスが年々増えていて、昨年で言えばPHARRELL WILLIAMS(ファレル・ウィリアムス)やARIANA GRANDE(アリアナ・グランデ)をブッキングしました。もう1日はこのポップ路線を継続していく予定です。
UNDERWORLDはどのステージで観られる!?
――UNDERWORLD(アンダーワールド)の出演も発表されました。これまたビッグネームで、いつにも増して豪華なラインナップですね。
清水 彼らは厳密に言えばサマソニには初出演なんです。ソニックマニアには出ていたから、「えっ、初めて?」と思っている人も多いみたいですが。UNDERWORLDは日本では絶大な人気を今も持続させているベテランだし、あれだけのキラーチューンがあるわけですよ。それをどのステージで聴けるのか、発表を楽しみにしていてください。東京ならばマリンステージなのか、あるいはマウンテンステージなのか、まったく外と中でシーンが変わってきますからね。出演は決まっていますが、ステージプランはまだ確定していない状態。実際、僕も悩みどころです。
今の段階で発表しているアーティストを皆さん自身でステージ分けしてもらって、そこにどんなアーティストが追加されるかを考えることも楽しんでもらえたらと思います。2月の中旬から後半になりますが、第2弾アーティストの発表を予定しているので、楽しみに待っていてください。
サマソニからビッグになっていくアーティストたち
――サマソニといえば、日本ではまだメジャーではないアーティストや新人アーティストを積極的にフィーチャーしていくフェス、という印象もあります。
清水 それは毎年必ず大事にしている部分ですね。第1回のサマソニに出演したCOLDPLAY(コールドプレイ)やSIGUR ROS(シガー・ロス)なんかも、当時はまだまだ有名ではなかったわけですからね。LADY GAGA(レディ・ガガ)も最初にコンファームした時はダンスステージの早い時間にノミネートしていたり。すでに発表しているアーティストで言えば、昨年大ヒットしたCHARLIE PUTH(チャーリー・プース)とELLE KING(エル・キング)になりますが、ELLE KINGにしてもアメリカではかなり話題になっていて、ラジオで聴かない日がないぐらいにヘビーローテーションで推されているアーティストです。今のアーティストは、デビューしてからブレイクするまでのスピードが本当に速いですよ。今年もニューカマーたちに注目してみてください。
日本で言えば、新人アーティストの発掘と紹介として、2009年から続けている関連企画「出れんの!? サマソニ!?」はさらに大きいものになる予定です。毎年、出演アーティストが決まると各種SNSなどでもかなり話題になりますが、特にオーディションが拡大します。これまではイープラスを中心にやってきた企画ですが、そこにソニーミュージックも加わってもらい、全国を回りながらのオーディションになりそうです。ここから次のサマソニ出演アーティストが生まれるくらいのクオリティを目指したいですね。
後編はこちら
「サマソニは誰もが参加しやすいフェスティバル」クリエイティブマン社長インタビュー(後編)
text:鎗田淳(verb) photos:俵 和彦