「サマソニは誰もが参加しやすいフェスティバル」クリエイティブマン社長インタビュー(後編)
第1弾の出演アーティスト発表もあり、いよいよ今年もサマーソニックが動き出したと感じた人も多いはず。そこで、今回はクリエイティブマンの清水直樹社長に、今年のサマーソニックの動向について、どこよりも早くインタビューを敢行! 後編では関連イベントの情報からソニックマニアの話題まで、注目のトピックスについて清水社長が語り尽くします!
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「今年のサマソニはレディオヘッド!」クリエイティブマン社長インタビュー
「誰もが参加しやすいフェスティバル」の実現
――2014年から導入されたプラチナチケットは昨年も大好評でソールドアウトしました。
清水 アメリカのコーチェラ・フェスティバルにVIPチケットで参加したら、とても充実したサービスを受けられた体験がきっかけとなって、サマソニにもプラチナチケットを導入しました。「誰もが参加しやすい洋楽フェスティバル」というのがサマソニを立ち上げた想いの原点。とにかく敷居を低くしたいんですが、まだまだ参加するのを躊躇してしまう人も多いですよね。その理由には、前に行きたいけど大勢の人の中で揉みくちゃになるのはちょっととか、若い人たちと一緒の環境では体力が心配とかいろいろあると思うんですが、そういった人たちのために安心して楽しめるチケットを提供する必要性があると思っています。途中でゆっくり休みながら、アーティストを間近で観て楽しんでもらう、大人のためのチケットですよね。もちろん大人に限らず、サマソニで思い切り充実した時間を過ごすために、お金を貯めて、一年に一回の贅沢としてプラチナチケットを買って参加するといった楽しみ方も良いと思います。
――昨年はキャンプサイトのリニューアルもあって、さらに参加しやすくなったと感じます。
清水 フェスにはできるだけ身軽に来てほしいんですよ。言ってしまえば、キャンプサイトをホテル的に活用しようということで生まれたのが「手ぶらでキャンプ」です。キャンプ用具を持っていなくても、テントを張ったことがなくても、すでにすべてが用意されていて泊まれるとすれば、もっと参加しやすくなるはずだと思いました。昨年はソールドアウトできたので、昨年の100に対して今年は150程度まではテントの数を増やす予定です。
キャンプエリアがある海沿いのエリアはとにかく居心地が良いんです。僕も夜は必ずあのエリアに行って、お酒を飲んでリラックスするんだけど、まだ行ったことのない人はぜひあの心地よさを体験してほしいなあ。サマソニのまた別の魅力を味わってもらえるはずです。
日本からアジア、そしてヨーロッパへ
――宿泊の問題も飛躍的に解消し、遠方からの参加者も増えているのではないでしょうか。
清水 日本中どこからでも参加しやすいようにと東京と大阪で開催して、いろいろな点を改善してきましたが、最近は海外からの参加者が激増しているんです。そこでここ数年は特にアジア向けのプロモーションはしっかりとやっていて、かなりの人に来てもらっています。今年はHISさんと組んでアジア各国からサマソニに参加するツアーを計画しているところです。
2011年からは「Asian calling」と題して、アジアのアーティストをフィーチャーする企画も毎年開催しています。アジアからのお客さんが増える中で、自分たちの身近なアーティストが出演していることは楽しみだろうし、良い交流になっているので今年も続けるつもりです。アジア全体に人気の出るアーティストをここから生み出すというのがこの企画のひとつのゴールですね。
――昨年はフランスのフェス「ユーロックエーヌ」との交流も話題になりました。今年も交流はありますか?
清水 今年もその予定です。昨年は日本からはTHE BAWDIES(ザ・ボゥディーズ)、BO NINGEN(ボー・ニンゲン)、Seiho(セイホー)という3アーティストをユーロックエーヌに送り出すことができましたが、ユーロックエーヌ側のチョイスもすばらしいですよ。向こうのお客さんに支持されるアーティストかどうかをきちんと考えてくれています。これは日本のアーティストが海外に出て行くチャンスを提供できる交流ですから、今後も続けていきたいですね。
ソニックマニアの開催がピンチ!?
――関連イベントが多いのもサマソニの特徴ですね。今年もソニックマニア、ホステス・クラブ・オールナイター、サマーソニックエクストラは継続して開催されるのでしょうか。
清水 実は…ソニックマニアのブッキングが非常に難航していまして(笑)、今年は開催できるかどうか分からないというのが現段階の正直なところです。もちろん毎年開催したいと思って続けてきましたが、僕は良いブッキングができない中で無理矢理にフェスを開催しようとは思っていません。さすがにサマソニはいきなり「1年休みます。」とはいきませんけどね(笑)。だからオールナイトのソニックマニアはまだ白紙なんですが、なんとか前日の金曜の開催に向けてがんばります。ホステス・クラブ・オールナイター、サマーソニックエクストラについては今年も開催するので今後の発表をお楽しみに。
――衝撃発言を伺ってしまいましたが、最後にサマソニを楽しみにしているすべての音楽ファンにメッセージをお願いします。
清水 もし参加を迷っている人がいれば、「あの、世界が求めているRADIOHEADが来るんですよ」と(笑)。サマソニに来たことがある人であれば、RADIOHEADがヘッドライナーのサマソニが、いかに特別なものかは分かってもらえると思います。それから、まだサマソニに参加したことがない人は、フェスの敷居は高くないので安心して来てください。絶対に楽しいし、ぼっちで来ても寂しい思いをしない、気軽に来て帰れるフェスです。一度体験してもらったら「サマソニに参加する」ということを1年のカレンダーに入れてもらえるように、誰もが楽しめる環境を僕達は一生懸命作っています。今年は凄いことになりそうなので、ひとりでも多くの人が参加してくれればうれしいです。
text:鎗田淳(verb) photos:俵 和彦