【POPSPRING 2016】 ポップ・アイコンの頂点、カーリー・レイ・ジェプセンの真価 【単独もあるよ!】

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最近、カーリー・レイ・ジェプセンのインスタを眺めるのが日課になりつつある。いや、決して嫌らしい気持ちからではない。センスの良いカルチャー誌のページをめくるときのような期待感を持って、スマホの画面をスライドさせている。嫌味ったらしい写真など一枚もなく、見ているこちらが笑顔になってしまう。その上更新頻度も悪くないから、「彼女のインスタを眺める日常」に至る動機は揃っているのだ。例えば、この一枚。

Mama OG #Frenchy and baby #Frenchy 💋!!! Beyond excited to announce that Didi Conn will be in Grease Live! @gogrease

Carly Rae Jepsenさん(@carlyraejepsen)が投稿した写真 –

ファッション・アイコンとしての役割もきっちり果たす。

San Fran – ✂️👈🏻out! Playing the Warfield tonight but HAD to stop by the FULL (ER) HOUSE house! 🏡

Carly Rae Jepsenさん(@carlyraejepsen)が投稿した写真 –

カーリーの人柄の良さがしばしば話題に上がるが、それが写真にも滲み出ているようだ。彼女はテイラー・スウィフトやカーリー・クロスのような図抜けたスタイルの持ち主というわけではないが、多くのキッズに愛され、尊敬されている。その理由は、きっとこのナチュラルな魅力にあるに違いない。いかにも赤文字系の表現だが、「ナチュかわポップ・プリンセス」という日本のキャッチ・コピーは、少なくとも的外れではないだろう。

“Emotion”が打ち立てた“POP”の金字塔

今さらではあるが、昨年リリースされた彼女の通算3枚目のアルバム“Emotion”は、音楽批評的な見地で考察しても重要な作品だ。シンディ・ローパーやマドンナ、プリンスなどに代表される、80’sテイストが強い今作は、各音楽メディアから極めてポジティブな評価を受けている。ピッチフォークが「The 50 Best Albums of 2015」に選出し、ステレオガムやヴァイスは同作を年間3位に選んだ。ビルボード誌が、「“Emotion”こそグラミー賞にノミネートされるべきだった」と書き、Vogue誌は「(テイラー・スウィフトの)“1989”よりも出来が良い」と評価した。その他、今作を絶賛するコメントには枚挙に暇がない。中でも、ピッチフォークが「Best New Track」に選出した“All That”は破格の内容だ。プロデュースにデヴ・ハインズ(またの名をブラッド・オレンジ)が関わっていることもあり、よりプリンスからの影響を感じさせる。せっかくなので、デヴ・ハインズ本人も演奏に参加しているライブ動画を。

Carly Rae Jepsen | “All That” (with Dev Hynes) | Live From YouTube Space LA

アルバム全体を見渡しても、売れっ子プロデューサーのShellbackが参加した“Run Away With Me”、インディーズ精神がほとばしる“Warm Blood”など、耳を引くトラックは多い。というか、捨て曲は一切ない。ほぼ全曲、シングルカットしても良いぐらいの出来である。“I Really Like You”だけ聴いて、「ああ、やっぱりアイドル・ポップ路線か」と解釈してしまった、あなた。もう一度アルバム単位で聴きなおしてはくれないだろうか。

カーリー・レイ・ジェプセンの真価

彼女の天晴なところは、まさしくこの包括性にある。記事の冒頭で述べたアイドル的訴求力、それに加えて、音楽をしっかり聴く人たちをも唸らせる音楽家的説得力。2015年は、この二つを兼ね備え、あらゆる属性のリスナーに訴えかける準備が整っていた。そして、それは間違いなく成功していた。多くの人が言うように、彼女が過小な評価を受けているのは明らかである。やはり最低でも、グラミーのポップス部門でのノミネートぐらいは為されるべきだったのだ。上に貼った各々の動画のコメント欄にも、“underrated(過小評価)”という言葉が並ぶ。ポップ・アイコンとしても大変優秀な彼女だが、そろそろ別の評価をされても良い頃だ。

四の五の書き散らかしてしまったが、今回の来日公演では、ぜひ彼女の「音楽」にも注目してほしい。記事の最後に、あえてこの曲を。

Carly Rae Jepsen – Call Me Maybe


(昨年12月にロンドンで開催されたJingle Bell Ball 2015の模様)


POPSPRING 2016
2016年4月2日(土)
会場:千葉 幕張メッセ9/10/11 ホール
2016年4月3日(日)
会場:兵庫 神戸ワールド記念ホール

<関連リンク>
POPSPRING 2016 詳細

 

カーリー・レイ・ジェプセン単独公演
2016年3月31日(木)
会場:北海道 ZEPP SAPPORO
2016年4月4日(月)
会場:福岡 ZEPP FUKUOKA