“ナチュラル”で“アート”な「フェスウェディング」を生み出す「RUSTIC WEDDING」の魅力!
静かな小川の流れる森や、黄緑色の原っぱ、地平線に沈む夕日を眺める孤島…。非現実的な場所での音楽フェスは続々と増え続けています。そんななか、音楽フェスに留まらず、 “ウェディング”までもが野外化=フェス化しているのをご存知ですか? 今回は、そんな野外でのウェディングのプロデュースを行っている「RUSTIC WEDDING」代表・竹内桂介さんに、その魅力を伺いました!
特別な一日。空も緑もふたりだけのもの!
――そもそも、「野外で行うウェディング」とはどのようなものですか?
竹内 文字通り、野外の自然の中で行うウェディングです。2年くらい前から、自然を愛するカップルの間で流行し始めました。ウェディング業界は縮小傾向にあるのですが、野外で行うウェディングに限っては、人気が右肩上がりです。
――なるほど。それほどまでに若い人を惹き付ける、野外ウェディングの魅力とは何なのでしょうか?
竹内 開放感や、プライベート感を作り出せることが一番の魅力ではないでしょうか。「この森を、私たちだけで貸し切っている」という感覚は、とてもプレミアムなものです。特に都会に住んでいる人にとっては、森や海、川、島などは非日常な空間ということもあり、優雅な気分を味わっていただけているようです。
――軽井沢の森にとどまらず、島でも開催しているんですか!?
竹内 新郎新婦の希望さえあれば、どんな場所でもセッティングしますよ。例えば、フェス好きのカップルの方から、「音楽をたくさん鳴らしたい!」というご要望があったので、規制の少ない孤島をご提案したことがあります。式に音楽を取り入れる新郎新婦は結構いらっしゃって、これまでには、デザートタイムに小川のほとりでチェロの生演奏を行ったり、ジャズカルテットの演奏を取り入れたりしました。
――何もない土地をパーティー会場に変身させるためには、様々な心配りが必要になりそうですね。RUSTIC WEDDINGでは、どのような配慮を心掛けているんですか?
竹内 野外ウェディングの多くは電気や水道のない場所で開催するので、キッチンやトイレも、すべてその場所にゼロから作ります。
―― キッチンも作るんですね。RUSTIC WEDDINGで提供される食事は、一般的なホテルウェディングの料理とどのような違いがあるんですか?
竹内 RUSTICWEDDINGの場合は、ウェディングの会場内にレストランを作り、その場で調理しています。そうすれば、視覚・嗅覚・聴覚的にも料理を楽しんでもらえると思うんです。また、ウェディングを開催する土地の食材を使っているので、朝採れの新鮮な野菜をお出しできるのも魅力のひとつですね。
夫婦がふたりでつくる結婚式だから、あたたかい
―― RUSTIC WEDDINGが手掛けるウェディングが高い満足度を得ている理由はなんだと考えていらっしゃいますか?
竹内 それは、一般的な結婚式にありがちな形式や決まりごとを取っ払っているという点だと考えています。例のひとつとして「RUSTIC WEDDING」では、単に僕らがすべてを準備するのではなく、挙式をあげるお二人にも何か作ることをおすすめしています。例えば、髪飾りやテーブルの装飾に使うローズマリーを、自宅のベランダで栽培してもらう。それを式が終ったあとも育て続け、年に一度の結婚記念日の食事に使ってみてはどうだろうか、というお話をさせていただいたり。
テーブルを作るお客様もいます。式までに家具デザイナーと相談して、試行錯誤して木の机を作り、式の当日は自分たちが使うテーブルにします。式が終った後は、新居のダイニングテーブルとして使っていただけます。
ローズマリーも、テーブルも、自分で工夫をこらしながら作ったものじゃないですか。そうしたら修理も自分で出来るようになっているし、自然と愛着も湧いてくるんですよね。このように、僕たちと一緒に作った結婚式が、永遠に二人の知識や思い出となって残っていくという仕組みをできるだけ盛り込むようにしています。
「ありがとう」と「おめでとう」を交わす時間を大切にしたい
竹内 僕たちは、これまでの結婚式で当たり前に行われていた、形式的に行われるあいさつなどの行程について疑問を持っています。結婚式には、おいしい料理と、主役の二人さえいれば、それだけで最高の演出になるのではないでしょうか。そういうわけで、僕たちが作る結婚式には、式次第がありません。
一番大事なことは、新郎新婦のふたりが、これまでお世話になった人に感謝の気持ちを伝え、「これからもよろしくお願いします」という気持ちを伝えることだし、ゲスト側も「おめでとう」と伝えたいからわざわざ遠方から来てくれるのです。だから、本当に必要なものだけを残して、久々に会えた大先輩や、恩師、友人、後輩と、5分でも多く話す時間を作ってあげたい。その方が、ゲストからの満足度も高くなると思っているんです。
――まさに、本質だけを追求した結婚式ですね。結婚式だけじゃなく、結婚後の生活までをもプロデュースしている。想像するだけで、とても幸せな気分になりました!
text:前川有香(verb)