多才さを見せつけたBlood Orange来日公演ライブレポート!
11月22日(火)、恵比寿ガーデンホールにてブラッド・オレンジの来日公演が行われました。今年、アルバム「フリータウン・サウンド」をリリースし注目を集めただけに、初来日となったこの日のチケットはソールドアウトとなりました。そんな当日のライブレポートをお届けします。
この日はバンドセットということでギター&キーボード、ベース、ドラム、女性コーラスを従えブラッド・オレンジが登場します。1、2曲目は最新アルバムと同じ曲でスタート。早速彼のしなやかな身のこなしと歌声、さらにはギターまで演奏する器用さを見せつけられ、次に何が起こるのかを見逃すまいと会場中が集中した様子。しかし、曲が進むにつれ軽快なサウンドに観客もほぐれてきたようで自然と体が動き始めていました。

過去の曲を織り交ぜつつ、最新作を中心とした選曲で、ギターを弾き、ピアノを弾き、華麗なターンやステップも披露しながらステージを左右に動き回ります。MVで見せる彼のダンススキルを考えると、このステージは狭いのではないかと感じさせます。ギターの腕前もさすが元ギタリスト、ファンクなカッティング、軽やかなタッピングなどを披露しギターソロでは歓声が起こります。さらには、よく響く低音から艶やかな高音まで表情豊かなヴォーカルも心地よく、その多才っぷりには圧巻されました。

終盤にはニーナ・シモンのカバーを披露。これまでのライブでもジョン・コルトレーンやエルヴィス・プレスリーなどのカバーを披露している彼らしい選曲で、この日のステージにアクセントをつけてくれました。そして、最後もアルバムのラストと同じ曲で締めます。バンドメンバーはステージからはけ、スポットライトに照らされる彼のピアノ弾き語りには息づかいも聞こえるほど会場中が聴き入っていました。

音源よりもよりデヴ・ハインズという人物の個性が強くフューチャーされたステージには、プリンスやマイケル・ジャクソンからの影響を感じさせられました。しかし、あくまで都会的でクールな雰囲気。アンコールはなく約1時間ほどのステージでしたが、ファンク、ソウル、ディスコ、R&B、ヒップホップ、など彼の中にある多様な音楽性と、それらをうまく融合させる類稀なるセンスを感じるには十分な時間でした。
<セットリスト>
By Ourselves
Augustine
Champagne Coast
You’re Not Good Enough
Love Ya
Chamakay
Best To You
E.V.P
Bad Girls
Hands Up
Juicy 1-4 / It Is What It Is
Nobody’s Fault But Mine (Nina Simone cover)
Uncle Ace
Better Numb


