全世界同時開催「 RECORD STORE DAY 2017」日本&海外の現地レポート!

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4月22日(土)に全世界同時開催された「RECORD STORE DAY」。日本はもちろんの事、世界各国で音楽ファン、レコード店、アーティストが一緒に楽しむ日として盛り上がった様子をお届けします。

日本

東京では渋谷のHMV record shop渋谷や同新宿ALTA店、JETSET下北沢店やDISKUNIONなど早朝より50人〜100人の行列が出来るなど、1日を通して多くの人がレコード店に足を運びました。

HMC record shop SHIBUYA店内の様子

今年のRECORD STORE DAY JAPAN2017 アンバサダーを務めたスチャダラパーのSHINCOはタワーレコード渋谷店で、ANIはHMV record shop新宿でそれぞれDJを披露。

(右)スチャダラパーANI / (左)スチャダラパーSHINCO

また、期待の新人、in FAM stepが地元・宇都宮のレコード店、DX-RECORDSに来店しお客さんと交流したり、HMV record shop 吉祥寺店でインストアライヴを実施。神戸出身のシンリズムは同じく神戸発のレコード店、渋谷のデシネショップでインストアライヴを行いました。関西のFLAKE RECORDSでは、FLAKE RECORDS購入者が先着入場出来るアウトスト アライヴが開催され、Predawn角舘健悟(Yogee New Waves)、Gotch(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が出演しました。

シンリズム (デシネショップ)

その他、東京の参加店舗全店ではレコードプレイヤーやヘッドフォン、スピーカー、リフト・アダプターなど豪華景品が当たるスタンプラリーを開催。多くのお客さんが様々なレコードショップを訪れるきっかけとなりました。

昨年、熊本地震によりRECORD STORE DAYが開催出来なかった熊本県でもPEANUTS RE-CORDSを始め、地元のレコード店を巡るスタンプラリーを開催し、夜中の特別オープン時にも関わらず足を運ぶレコードファンの姿がみられました。

今年のRECORD STORE DAYは全国のレコード店やイベント会場、ライヴハウスで前夜祭、セール、ライヴ、DJ、展示会などが行われ、昨年よりも多くの場所で広がりを見せました。外国のお客さんが多く参加していたことも印象的。また、この日のために用意された限定商品の中では、特に輸入盤のRyuichi Sakamoto『千のナイフ』7inchやDAVID BOWIE のロサンゼルス公演を収録した未発表ライヴ『CRACKED ACTOR』が人気を博したようです。

海外

■アメリカ

(Interview&Report&Photo by Sayaka Shiomi)

RECORD STORE DAY

4月22日のRSDロサンゼルスAmoeba Music には沢山の列が店から数ブロック先までぐるりと取り囲んだ。一番先頭に並んでいたお客に一体何時から列に並んでいるのか?と伺ったとこ「昨日の4PMから並んでいる」、4番目に並んでいたお客は、なんとわざわざアリゾナ州からPM6時半にガールフレンドと一緒に訪れ並んでいると語った。このカップルは初めてのRSD体験にもの凄く興奮していた。

夜中の0時半には既に自前チェアーを持って来て並んでいた男性が25人くらいいて、早朝6時半には店から2ブロックほど取り囲む状態で人々は店側が配ったリストをチェックしたり、周りの人達と音楽について語り合ったり、携帯を見て他の国の音楽ファンと連絡を取り合ったり、それぞれ音楽への熱い思いがそこにはあった。

Amoeba Music行列の先頭

RSDプロダクツ以外にも古本やDVD、ポスター、レコードプレイヤーなど20%OFFだったりしているため、RSDプロダクツをゲットした後も客達は再び店に戻り、さらに他の商品をチェックしていた。実際に私もこの日のRSD商品では無いが1990年当時に発売されたロングバージョンパッケージのオリジナルCDが$3.99で棚にひとつだけあったのを見て私も思わず購入してしまった。またT-シャツのナイスなデザインにも惹かれて購入。午後になっても外には長い列が止まらない。後から来た客の話ではハンティングトンビーチのレコード屋に行ったが、店が小さいので商品の入荷が少なくすぐに売り切れたため、最終的に、LAで一番大きいAmoeba Musicに来たという輩も沢山いた。

購入者に話を聴いたところ、大体この日だけで平均$1000~$2000ほど使う人が多かったことにも驚かされた。若いお客さんの中には、とにかくこのイベントのお祭り騒ぎ具合が楽しく長い列には疲れるけど、一遍に色んなもの(レコード、テープ、DVD、CD、T シャツ、ポスターなど)を購入したくなる日だと語っていた。

店の外にはRECORD STORE DAY限定商品のソールドアウトの状況が随時チェックリストに更新されていた。一年で一番忙しい日だけにスタッフもさぞかし大変だろうかと思ったが、みんながハッピーで心から音楽を楽しむ和やかな様子が伝わって来た。

【アメリカ Amoeba Music にて来店者インタビュー】

インタビュー/パリゴリーさん

ーー本日のRECORD STORE DAYについて思いを語って下さい。

私の名前はパリゴリーです。ルイジアナ州ニューオリンズ出身ロサンゼルスに現在住んでいます。
レコードストアーデーには毎年来ていますし、42年間レコードコレクションをしています。家には何千枚ものレコードやCDを所有しており、レコードストアーではユニークな物が手に入るので凄く好きで来ています。今日は20枚のレコードをここで購入します。でもこれはそんなに多いと思いません(笑)。実は何枚かは自分の為に、そして何枚かはUKに住む友人の為に購入するのです。彼らはUK限定版を私に購入してくれ、お互い交換するんですよ。

ーーそれは凄いですね、日本やUK、アメリカ、そうやって他の国に住む人達が限定版をお互い交換するのは凄く将来的に広がって良いことですね。私もそれは素晴らしいことだと思います。

日本にレコードを購入しに行ったことがあるよ。世界中の人達と交換するんだ。

ーーどうやって世界中の人達とコミュニュティを構築したんですか?

最初はバンドのファンクラブで色んな人達と知り合っていったのですが、インターネットがポピュラーになってからは、人と知り合うのが以前よりもかなり簡単になりました。また色んな情報交換が出来ディスカウント情報も手に入れることが出来ます。

ーーRSDで一番楽しむことは何ですか?

実は、こうやって並んでいることも楽しいんだ。誰とも話さなければつまらないけど、周りに居る人達と音楽の話が沢山出来るからね。皆エキサイティングさ。でも半分はオーダーしたパッケージを受け取って家に帰って早く寝たいよね。だって夜中の2時からここに並んでいるんだもの。そして携帯でUKにいる友達と連絡を取り合いながら、彼らが何のレコードをゲット出来なかったのか?とかやりとりするんだ。それがもしアメリカのリストに入ってたら、勿論すぐオーダーリストに追加するよ。

ーーここに夜中から並んでいらっしゃいますが?途中でトイレに行きたくなったらどうされるんですか?アメリカでは簡単にどこかのお店がトイレを貸してくれるのは難しいですが…(通常日本のようにお店やコンビニでトイレは貸してもらえないケースが多い)

ええ、それは非常にハードなことで実は昨日のランチからこの為に呑まず喰わずでいるんだ。だから20時間程なにも取ってないよ。だからお腹も減ってるし喉も乾いているんだけど、あと数時間の我慢だからね(笑)勿論商品を貰ったら食べるけど。実は近くにレストランがあるんだけど、もしトイレに行って自分の並んでいた場所が無くなったりしたら嫌だから我慢してるんだ。

「Amoeba Music co-founder 兼 共同オーナーのMarc Weinstein 氏インタビュー」も実現!全文はRECORD STORE DAY JAPAN のホームページに掲載します。

■フランス

(北海道 辻谷商店/辻谷氏)

フランスの出張先でのノルマンディーのレコード店やRSD当日に数店ではありますが、パリのレコード店に足を運べたことは、今後なかなか経験できないことでしたので、フランスでのレコード文化に触れることができてとても有意義な時間を過ごしました。
フランスでは小さなレコード店それぞれに個性と特色があり、セレクション、ディスプレイ、そこに集まる人々に熱いレコード愛を感じました。これは日本においても同じと思うのですが、より、小さなレコード店が個性豊かにあったので心に残りましたし、私のお店もレコード専門店ではありませんが、大きな元気といいますか勇気といいますかヴァイナル愛・音楽愛をいただきました。

<関連リンク>
RECORD STORE DAY JAPAN 公式サイト

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