音楽と京都の街に癒やされる週末旅行的フェス「OKAZAKI LOOPS」レポート!
「フェスで遠出はしているけどゆっくり旅行はできていないな…。」というフェス好きの方はいますか?
フェスに行って音楽にどっぷりと浸かる非現実感は最高に楽しいけど、その地域の美味しいものを食べたり、文化に触れたりという旅行の楽しさとはまた違ったものですよね。
そこで音楽と旅行、両方を楽しむことができるであろうフェスを発見したので行ってきました!その名も「OKAZAKI LOOPS」。
「OKAZAKI LOOPS」とは?
京都の岡崎エリアで開催される京都岡崎音楽祭「OKAZAKI LOOPS」。
“岡崎エリア”とは平安神宮、劇場、美術館、公園などの施設が集まった京都の文化ゾーンの一つ。近代的な建物と歴史が共存するこのエリアで様々な催しが行われ、その土地を回遊(ループ)しながら楽しむ、という昨年からスタートしたイベントです。
用意されているプログラムも普段のフェスとは少し違った角度から音楽を楽しむような、貴重な公演内容が多いのもポイント。今回のプログラムはこんな感じでした。
・高木正勝オーケストラコンサート with 広上淳一×京都市交響楽団
・agehasprings produce《node_vol.1》 featuring Aimer × LOOPS strings
・渋さ知らズオーケストラ 渋さ版 幻想交響曲
・FM802 ヒトリの夕べ in OKAZAKI LOOPS
出演:尾崎裕哉、シンリズム、山内総一郎(フジファブリック)
・図書館×演奏 CALM -NIGHT LIBRARY LIVE-
・『マチネの終わりに』を聴く -朗読会×ギターコンサート-
etc…
いざ京都へ
忙しい社会人に週末の早起きはしんどい…。
ということで無理せず平日と同じ位に家を出発し、お昼には京都へ到着。ホテルに荷物を置き会場へと向かいます。
そしてメイン会場であるロームシアター京都に到着。ここは建築家・前川國男による日本を代表するモダニズム建築である「京都会館」が2016年1月にリニューアルオープンした劇場です。
レンガ造り、ピロティー形式など従来のイメージや開放感を引き継ぎながら、生まれ変わった美しい建物。
蔦屋書店、スターバックスコーヒーも入っています。
すぐ隣の岡崎公園ではフリーマーケットや地元アーティストによる野外ライブも行われ、幅広い年齢層の方が楽しんでいました。
貴重な2公演を鑑賞
■高木正勝オーケストラコンサート with 広上淳一×京都市交響楽団
外での催しをちょこっと楽しみ、メインホールで行われるプログラム「高木正勝オーケストラコンサート with 広上淳一×京都市交響楽団」へ。
この日の内容は高木正勝が音楽を手掛けた細田守監督作品の映画「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」の楽曲を高木正勝のピアノとオーケストラ演奏で披露すというもの。美しいピアノの旋律と壮大なオーケストラの演奏、ゲストのアン・サリーの優しい歌声で映画のシーンが蘇ってくる様でした。
オーケストラのコンサートということで初めはお客さんも少し緊張しているようでしたが高木さんの朗らかなMCで徐々にその緊張も解けていきます。
高木さん自身もオーケストラとの演奏は初めてだそうで、普段はあまり見ないという楽譜を追いながらの演奏でしたが、後半で「今度は見ません!」と楽譜を床に捨て演奏。解放感の中に音の美しさと、暖かさを感じさせる、唯一無二の音の世界に、心洗われるような時間を過ごすことができました。
■渋さ知らズオーケストラ 渋さ版 幻想交響曲
そのあとはサウスホールで行われた「渋さ知らズオーケストラ 渋さ版 幻想交響曲」へ。
国内の様々なフェスへ出演し、更にはイギリスのグラストンベリーにも出演するほどフェス常連である渋さ知らズオーケストラですが、この日はいつものフェスとは違う一面を楽しめるプログラムでした。
普段はジャズを主体とした即興ですが今回はクラシックをベースとした即興。チャイコフスキー、ブラームスなどのフレーズが流れます。ダンサーの振りや衣装、パフォーマンスもシーンに合わせ様々に変わり、いつもの“お祭り”な雰囲気とは違うな…と思いきや、ジャズやハードロック、歌謡曲と全てをごちゃまぜにした渋さ知らズのグルーヴは変わらず、即興ならではの予想のつかない展開に釘付けとなります。
最後にはステージの後方から巨大ドラゴンが飛び出し小さな子どもドラゴンと共に観客席を回遊。笑いと驚き、そして感動を与える短編映画集のようなステージでした。
この2公演が終わる頃にはすっかり暗くなり、世界照明探偵団によるのライトアップも始まっていました。
他にも時間がかぶってしまったので観ることはできませんでしたが、閉館後の図書館で最小限の音響機材を使って行われる「CALM -NIGHT LIBRARY LIVE-」や「和歌」をモチーフに、岡崎エリアの4つの場所で4つの「恋」の一場面を朗読する「LOOPS READING THEATER 〜恋ヲ詠ム〜」など同じエリア内で様々なプログラムが開催。
どのプログラムを選ぶかは自分次第。じっくりと鑑賞するものを1日でいくつも観ることで、その組み合わせによって、様々な感想や新たな発見が生まれるようなイベントだなと思いました。
夜の京都を満喫
そしてお腹も空いたので京都の街へと繰り出します。
この時期の京都は「納涼床」の季節。鴨川沿いのお店には屋外の席が作られ川を眺めながら食事を楽しむことができます。
“四季を楽しめる日本人でよかったな”なんてしみじみしながら美味しいご飯を堪能。食後は風が気持ちよかったので、夜になっても賑わう街を散歩しながらホテルへと帰りました。
翌日は展示と観光をして帰路へ
翌日は朝から前日にゆっくり見ることのできなかった企画展「音を捉える」を見学。目に見ることができない「音」を体感できる作品が並びます。
IDL(INFOBAHN)× moff によるVRを使った作品である『Polyphonic Drawing』は手から音と幾何学模様が溢れてくるという、ゲームのような単純な面白さの中に“「動作」と「反応」の関係の再構築”というテーマが隠れています。そんなふうにどれもなるほどと思わされるものばかりで観て、考えて楽しい展示でした。
そして、この日も様々なプログラムが用意されていましたが帰りの時間もあるので、前日に回れなかった図書館などの建物を見学し、午後は少し観光をして帰ることに。
久しぶりの京都だったので行きたいところはたくさんあったのですが、無理せず平安神宮から八坂神社、清水寺と観光ながら少しづつ京都駅へ近づいていくコース。半日でしたが十分楽しむことができました。
この時期緑の茂った京都は空気もよく、休日ながらそこまで人も多くないので観光にはなかなか穴場の時期かもしれません。
よい音楽と街に癒される大人の週末旅行。
みなさんも来年は京都旅行がてら、足を運んでみてはいかがでしょうか。
2017年6月10日(土)・11日(日)
会場:京都 岡崎内の施設とそれらをつなぐエリア(ロームシアター京都、平安神宮、岡崎公園など)
<関連リンク>
京都岡崎音楽祭2017 OKAZAKI LOOPS