高木正勝が阿弥陀堂でピアノコンサートを披露!「スクール・ナーランダ特別編」開催レポ

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今と未来を生きるための智慧の学び場「スクール・ナーランダ特別編」が2017年12月9日(土)に世界遺産の京都・本願寺で開催されました。

僧侶に加え、科学や芸術、哲学など多様な分野の最前線で活躍する講師陣から現代を生き抜く知恵を学び、双方向に対話をする新しい学びの場、浄土真宗本願寺派の「スクール・ナーランダ」。

今回は特別編としてスクール・ナーランダらしい、科学者×アーティスト×僧侶との異分野鼎談(ていだん)はもちろんのこと、僧侶による荘厳なお勤めや、音楽家・映像作家の高木正勝氏によるソロ・ピアノコンサートを国宝・本願寺阿弥陀堂で体験。さらに、境内地では「ごえんさんエキスポ」と称して、全国で活躍する若手僧侶たちが集結し、彼らの取り組みが紹介されます。僧侶との交流コーナーやワークショップに加え、京都の老舗料理店のこの日だけの限定お弁当など、他では味わえないフードで境内は賑わいをみせていました。

高木正勝が国宝・阿弥陀堂をステージにコンサート

高木正勝

国宝・阿弥陀堂では細田守監督のアニメーション映画「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」の音楽を手掛けたことでも知られる高木正勝さんの映像とピアノによるコンサートが行われました。「幸福な響きは自分次第」とは、コンサート冒頭での高木さんの言葉。先のおつとめを体験してそう感じ、またご自身も、日ごろからそうして音を奏でているそうです。歌う喜びにあふれたピアノの音色と歌声が、色彩豊かなご自身の映像と一体となって静謐な空間に響きます。それはまるで、光につつまれた極楽浄土の世界に聴衆を誘ってくれるかのよう。

高木正勝

京都生まれの高木さんですが、4年前からは京都と兵庫の県境にある、山奥の小さな村に暮らしています。たくさんの動物や自然、村の人々との暮らしを表現する、どこか懐かしさや原風景を思い出させてくれるような音や歌もあわせて披露してくださいました。

自己と他者・世界との境界について考える鼎談

スクール・ナーランダ特別編の最後は、ここまで登壇したお2人と浄土真宗本願寺派僧侶の藤丸智雄さんを迎えた鼎談です。テーマは、「自己と他者・世界との境界」。小さな村で、自然や動物たちとともに音楽を奏でる高木正勝さんは、どのように自己と他者、世界との境界を感じているのでしょうか?
実際高木さんがピアノを弾いていると、セミなどの動物たちも、一緒に盛り上がったり静かになったりするそうです。あるいは、盛り上がってから少し静かに弾こうとすると、その一瞬前にセミたちが静かになる、という現象も起こるのだとか。そして演奏中は、自己と他者の感覚がなくなるというよりも、一瞬建物自体、空間自体で演奏しているという感じになり、演奏しているときはどんどんその意識が遠へと広がっていくのだそうです。また、山奥で暮らしながら、高木さんは最近こんなことに気づいたと話してくれました。

この話を受けて、藤丸さんが例として出したのは、インドのこと。その辺を歩いているヤギが明日にはカレーの材料になったりするけれど、ヤギはその日をただ、ゆったりと歩いている。インドではあらゆる命が救われるようにと願われていて、食べるということが「殺す」「命を奪う」ということではなく、自然の入れたり出したりがバランスよく行われていて、それが素晴らしい。そういう環境のなかで仏教が生まれてきたのだと藤丸さんは考えます。私たちが生きている現代の生活はあまりに人工的で、いのちの繋がりをともすれば忘れて日常を送ってしまいがちですが、自我を乗り越えるなかでいろんな世界がよくなるのではないでしょうか?藤丸さんは、そのようにこの鼎談を締めくくってくださいました。

宗派を超えた個性的なブースが40以上も大集合!

「ごえんさん」とは、「ご院家(いんげ)さん」が変化した、僧侶の呼び名の一つです。全国で新しい取り組みに挑戦している浄土真宗本願寺派をはじめ超宗派のお寺・僧侶・団体が、「ごえんさんエキスポ」と題し、ここ本願寺に集結します!お寺での音楽コンサートやマルシェの開催、ライブハウスでの法話や僧侶と気軽に話せる坊主バーやカフェといったお寺を飛び出したユニークな活動など、昨今の若手僧侶はとてもアクティブ。ブースでの彼らの活動紹介に加え、実際に体験のできるワークショップや僧侶との交流などを通して、同時代のリアルな仏教に触れていただきました。

世界遺産・本願寺の境内に「サイレントフェス」が出現!

境内では、日本各地で開催され、話題を集めている「サイレントフェスTM」が、スクール・ナーランダとのコラボで開催。クラブとは違って、その空間自体は無音です。参加者それぞれが、ワイヤレスヘッドフォンを通じてDJブースから流れる音楽を楽しむプログラム。「テクノ法要」や「向源」など、全国のお寺でイベントを主催する僧侶がとっておきの音楽をお届けしました。

ミュージシャンAKI-RA sunrizeによる メリシャカライブ

メリシャカはもっと身近に仏教の教えに親しめる場を持とう!との思いから、2006年4月8日(おシャカさまの誕生日)にスタートした若手僧侶のコミュニティ。アーティスト・AKI-RA sunriseさんを招いて、ハングドラムの演奏がおこなわれました。AKI-RA sunriseの演奏するハングドラムの不思議な音色に魅了される人が続出したようで、演奏が始まると、多くの人が集まっていました。

このようにいろんな活動をされるお坊さんを中心としたグループが集まった「ごえんさんエキスポ」。お坊さんたちも、お互いの活動にいろんな刺激を受けていたようで、またここから何か新しいものが生み出されてくるのではないかということも予感されました。同時代のリアルな仏教に触れ、また、そこから得られるものがあったのであればこれほど幸いなことはありません。

Photo:Yoshikazu Inoue


スクール・ナーランダ特別編
2017年12月9日(土)
会場:京都 本願寺・阿弥陀堂

ごえんさんエキスポ
2017年12月9日(土)・10日(日)
会場:京都 本願寺内・白洲

<関連リンク>
「スクール・ナーランダ特別編」特設サイト

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