「俺のレベルはピークに到達した」今年のノエル・ギャラガーを見逃すな!【サマソニ】
サマーソニック2018のヘッドライナーに決定したノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ。
ノエル・ギャラガーは2005年にオアシスとしてサマーソニックに出演しましたが、ソロ名義で出演するのは初めて。
そこで今回はノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズについて解説します。
ハイ・フライング・バーズのメンバーは?
2009年にオアシスを脱退したノエル。翌年、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとしてソロ活動をスタートしました。
現在のバンドメンバーはソロ当初から共に活動ししているキーボードのマイク・ロウとベースのラッセル・プリチャード。マイクはオアシスのツアーに参加しており、ラッセルはザ・ズートンズのベーシスト。
そして、前メンバーと入れ替わる形で2016年にはオアシスとビーディ・アイのドラマーであるクリス・シャーロック、2017年には同じくオアシスとビーディ・アイのギタリストゲム・アーチャーを迎えています。ソロ活動当初、ゲムがいないことが一番寂しいと語ってたノエル。オアシス時代から彼を支えていたゲムの参加はファンにとっても嬉しいニュースとなりました。
さらに2018年のワールドツアーに先立ってシンガーソングライターのジェシカ・グリーンフィールドとシャルロット・マリオンヌもツアーメンバーに迎えています。シャルロットがライブで演奏するハサミについては弟のリアムを始め注目を集めましたが、彼女はル・ヴォリューム・クールブとして活動していたフランス人シンガーソングライター。過去には今年ソニックマニアに出演するマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズがプロデュースしたアルバムをリリースしています。
先日インスタグラムで公開された写真を見ると今年のツアーはさらにコーラスやサックスのメンバーが加わるよう。サマーソニックにもそのメンバーで臨むことになるのではないでしょうか。
ノエルのセンスが光る楽曲たち
オアシス時代から天才的なソングライティングの才能を発揮していたノエル。「Live Forever」、「Don’t Look Back in Anger」など数々の名曲を残してきました。もちろんソロでもその力を遺憾なく発揮しています。
ソロ活動後のノエルのセンスが光る楽曲の数々を聴いてみましょう。
「The Death of You and Me」
デビュー・アルバム『Noel Gallagher’s High Flying Birds』に収録されたデビュー曲。ノエル曰く、このアルバムは「ファンにはオアシスのなごりを聞き取ってもらえると思う」とのこと。リアムとの決裂についての曲だと言われていますが、ノエルは「一緒に今の人生から逃げ出して、自由に幸せな人生を送るというロマンティックな曲」だと語っています。
「If I Had A Gun…」
現妻のサラ・マクドナルドに捧げた曲と言われるラブソング。横暴なイメージがあるノエルは、オアシス時代にラブソングを作っても採用されなかったと言われています。2008年のツアーのサウンドチェック中に書いた曲で、正式にレコーディングする前にYouTubeに流出するという事件もありました。
「In The Heat Of The Moment」
ここからはオアシス、ソロの両時代を通じてノエル初のセルフ・プロデュースによるアルバム『Chasing Yesterday』収録曲。前作から4年経ってリリースされました。こちらの曲は人類初の有人飛行に挑戦した宇宙飛行士のドキュメンタリー映画からインスピレーションを受けたそう。シンプルで耳に残るメロディラインにシンガロングできるコーラスが印象的。
「Lock All The Doors」
これは初期のオアシス時代から存在する曲で、書き上げるのに23年かかったそう。確かにリアムが歌う姿が想像できそうですし、実際にリアムが歌うデモバージョンも聴くことができます。聴き比べてみるとテンポもあがりスカッとするロックナンバーへと生まれ変わりました。元となった曲の一部はケミカル・ブラザースとコラボした「Setting Sun」に使われています。
「Ballad of the Mighty I」
ゲストとして英・マンチェスター出身のギタリストジョニー・マーがギターで参加している楽曲。元はもっと重くてサイケデリックな曲だったものを、ポール・ステイシーのベースラインを聴いて80年台のディスコ音楽風にしようとひらめいたという壮大な楽曲。
最近の活動は?
2017年、ノエルはゴリラズのアルバムに参加。かつてブリットポップを代表するバンドとして人気を博したオアシスとブラー。両者の対立関係も世間の注目を集めていました。そんな両バンドの中心人物であるノエルとデーモン・アルバーンは2011年に和解。ようやく実現した両者のコラボは“We got the power to be loving each other”という歌詞も合わせて当時を知るファンにとっては感慨深いもの。
Gorillaz 「We Got The Power」
9月には5月に起きた爆破事件以来閉鎖されていた英・マンチェスター・アリーナの営業再開を記念したチャリティーコンサート「We Are Manchester」に出演。ヘッドライナーを務めたノエルは、事件後のマンチェスター市民のアンセムとなった「Don’t Look Back In Anger」を披露し、オーディエンスは大合唱。普段は緊張しないのにこの日のライブは緊張したんだそう。
「Don’t Look Back In Anger」
7月にはU2の『Joshua Tree』30周年記念ツアーにも参加しました。
そして11月に3枚目となるアルバム『Who Built the Moon?』をリリース。
大御所DJ・トラックメイカー、デビッド・ホルムスをプロデューサーに迎え、これまでとは全く違う方法で作り上げたこの作品はノエル自身の殻を破った革新的な一枚。とは言いながらもやはりノエルにしか作ることのできない抜群のメロディは健在。「本作で俺のレベルはピークに到達したと思う。」と本人もコメントするほどの自信作です。ゲストにはポール・ウェラーやジョニー・マーが参加し、海外メディアでも高く評価されています。
「Fort Knox」
アルバム1曲目のこの曲はなんと、カニエ・ウエストの「Fade」や「Power」にインスパイアされたもの。もとはカニエに提供するつもりで作ったんだとか。
2008年にグラストンベリー・フェスティバルのヘッドライナーを務めたジェイ・Zに対し、「グラストンベリーにヒップホップはあり得ない」と批判していたノエルは、後にグラストンベリーでカニエのステージを観て「感銘を受けた」とコメントしています。近年柔軟になったノエルの姿勢は曲へとしっかり反映されているようです。
「Holy Mountain」
ノエルが「これまで書いた曲の中で最高の曲の1つだね。シンプルな曲だが、これまでで最も喜びが感じられる曲なんだ。」と語っている通り、スタジアムで聴くにはもってこいの新たな彼のアンセムになりそうな一曲。オルガンにはポール・ウェラーが参加しています。
「Keep On Reaching」
ブラスバンドを取り入れたファンクなサウンドに響くノエルの歌声が爽快な楽曲。偶然にもサマーソニックのもう一人のヘッドライナーであるベックのバンドのギタリスト、ジェイソン・フォークナーがベースを弾いています。アルバムを作っている段階では顔を合わせていないそうなのでサマーソニックでぜひ交流して欲しいところ。
「Dead In The Water」
そんな革新的な作品にボーナス・トラックとして収録されているのがこの曲。一変して弾き語りで歌われていて、純粋に彼の作るメロディの素晴らしさを味わうことができます。これぞノエル・ギャラガー。
現在は2月9日のデトロイト公演を皮切りにスタートする、最新作の全米ツアーに向けて準備中のノエル。今年は様々な海外フェスにヘッドライナーとして出演が決定しているので、サマーソニックに出演する8月にはバンドの仕上がりも期待できます。さらに、インタビューによるとこれまでプレイしてないオアシスの曲もセットリストに入るとのこと。
この夏は最新曲も過去の名曲も合わせてノエルと一緒にシンガロングしましょう!
2017年8月18日(土)・19日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪会場:舞洲サマーソニック大阪特設会場
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SUMMER SONIC 2018