【サマソニ・ソニマニ出演】ナイン・インチ・ネイルズが残した伝説のステージ
アーティストのパフォーマンスだけでなく、その他の様々な要因によって引き起こされた奇跡のようなライブを目撃したことはありますか?
そんな奇跡を引き寄せるアーティストで今年ソニックマニア、大阪サマーソニックに出演するナイン・インチ・ネイルズの右に出るものはいないでしょう。2009年のサマーソニック、2013年のフジロック、どちらも豪雨の中見せたあのパフォーマンスは今なお伝説として語り継がれています。
2009年のサマーソニックを振り返る
デビュー20周年となった2009年、彼らはこの年のツアーで活動休止を宣言していたため日本でライブを見られるのはこれがラスト。会場には大勢のファンが詰めかけアリーナはいっぱいになっていました。
そして始まった一曲目は「Somewhat Damaged」。一曲目からナイン・インチ・ネイルズらしいヘビーなサウンドが鳴り響き、客席もステージのバンドも即スイッチが入ったよう。
ステージの照明、スモークに浮かび上がる彼らの姿はまさに怪物。その姿と地鳴りのように響く低音が合わさり、アリーナは開始早々に異様な盛り上がりを見せていました。
その後も「Terrible Lie」「Heresy」「March Of The Pigs」「Closer」と飛ばしていき、ギターを投げたり、マイクを投げたりと荒々しいトレントの姿にもより一層テンションを上げられます。
こちら当時の映像からバンドの演奏、観客の熱量、そのどれもが別格だということが伝わるでしょうか。
Nine Inch Nails – March Of The Pigs (Summer Sonic ’09)
そしてライブも中盤に差し掛かる頃、会場にはぽつりぽつりと雨粒が…。次第にその雨脚は強まりスコールのような大雨になっていきます。このゲリラ豪雨にアリーナから屋根のあるスタンド席へと避難する人もいる中、物ともせず演奏を続けるステージ。
そんな中でトレント・レズナーの敬愛するアーティストであるデビッド・ボウイのカバー「I’m Afraid Of Americans」も披露。この曲はトレントがリミックスを手がけた曲で、MVにもボウイを追いかけるストーカー男として出演しています。
ボウイは彼を薬物依存から救ってくれた人物。そんなボウイへの強い思いを反映するかのように雨も激しさを増し、ステージを霞めるほど降り続けます。
しかし、豪雨の中でアリーナのテンションはむしろ上がる一方。力強く拳が突き上げられ、トランス状態のような盛り上がりを見せていました。
そして「Burn」では激しいサビに入る瞬間、空にイナズマが!
奇跡のような天からの演出にスタンド席からは驚きと感動が混ざった歓声が沸き起こります。ステージのトレントもまるで嵐の中戦っているような鬼気迫るパフォーマンス。異次元へと引きずり込まれるような強烈なオーラを放っていました。
この後も「Gave Up」「The Fragile」「The Big Comes Down」「Wish」「Survivalism」「The Hand That Feeds」と畳み掛けるようなセットリスト。
こちらの映像から当時の雨の状況を見ることができますが、かなりの量。後半これ程の雨を浴び続けながらもアリーナは熱狂し続け、大きな歓声が起こっています。
Nine Inch Nails – Wish (Live @ Summer Sonic 09)
そして最後の曲「Hurt」に入ると雨脚は次第に弱まり、ステージが終わる頃には雨も上がっていました。トレントの歌声が嵐を引き寄せたとしか思えない神懸り的なステージ。きっとその場にいた全ての人の脳に焼き付いたことでしょう。
【セットリスト】
Somewhat Damaged
Terrible Lie
Heresy
March Of The Pigs
Closer
The Frail
I’m Afraid Of Americans (David Bowie cover)
Burn
Gave Up
The Fragile
The Big Comes Down
Wish
Survivalism
The Hand That Feeds
Hurt
その後2013年に復帰後、日本での最初のステージとなったフジロックは、このサマーソニックの記憶を呼び起こすような大雨となりました。彼らのステージには何かが住み着いている、そう思わざるを得ません。
今年出演するソニックマニアは屋内ステージですが一体どんな事が起こるのか、大阪にも嵐を呼ぶのか?!しかとその目で確かめてみて下さい。
2017年8月18日(土)・19日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪会場:舞洲サマーソニック大阪特設会場
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SUMMER SONIC 2018