【サマソニ】リンキン・パーク、マイク・シノダはファンと共に悲しみを乗り越えていく
昨年、多くのロックファンに衝撃を与えたリンキン・パーク、チェスター・ベニントンの死。来日公演が決定しており、ニューアルバムをリリースした直後のことでした。
そして今年、メンバーのマイク・シノダがソロとしてサマーソニックへ出演が決定。私たち以上に大きな悲しみを抱える彼が再びステージに帰ってきます。
チェスターに捧げられた歌
チェスターの訃報が報じられた直後、多くのアーティストやファンから追悼の言葉がSNSに溢れ、各メディアでも大きく取り上げられました。バンドからもコメントともに、自殺防止ホットラインの案内や後追い自殺を止めるようアナウンスを発信。それほどにショックな出来事でした。
そして10月27日にはチェスターの追悼コンサートを開催。3時間に及ぶこのコンサートにはサム41のデリック、Blink-182や日本からは来日公演でも競演予定だったONE OK ROCKのTaka、EDM界からゼッド、過去に共演したSteve Aokiといった多くのアーティストがゲストとして登場しました。
このコンサートの中盤にマイク・シノダが披露したのが「Looking For An Answer」という曲。
チェスターが亡くなってから8日後に書かれた曲です。チェスターを失った悲しみ、そして整理できない気持ちがそのままに伝わってくる歌詞。ファンの多くもこの気持ちに共感したはずです。
こちらはまだ未完の状態で、これから少しづつ完成に近づけていくそう。そしてその状況をSNSで報告していくとマイクは約束しました。
ライブストリーミングでは少しづつリズムやベースラインが付けられていく様子を配信。
一緒にこの悲しみの整理をつけていこう、と言われているような彼のこの約束。曲の完成はいつになるか、はたまた完成するのかも分かりませんが、きっとこれを一緒に進めていくことに意味があるのだと思います。
私的な思いが綴られたソロEP
そして今年に入り、マイクは3曲を収録した『ポスト・トラウマティックEP』をリリースします。
「Over Again」
「Place To Start」
「Watching As I Fall」
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を連想させるタイトル、強いメッセージ性、私的な空間で取り上げられたMVと様々な要素から深い悲しみを元に産まれた作品だということが伝わってきます。リリースの際、マイクはTwitterにアップした手書きのメッセージでこれは私的な作品だということを明かしていました。
https://t.co/H25dDJZsaJ pic.twitter.com/VnPEhD3E0q
— Mike Shinoda (@mikeshinoda) 2018年1月25日
「この6ヶ月はローラーコースターのようだった。そんなカオスの中で大きな感謝を感じ始めていたんだ。あなた達の支援のメッセージやあなた達のお陰で今ある自分のキャリア、制作する機会があることに。
今日は3曲をシェアするよ。僕が曲を書いて、プロデュースした。ヴィジュアルも僕が撮影、ペイント、編集をしたんだ。
この作品の核は、個人的な悲しみ、私的な経験であってリンキン・パークでもフォート・マイナーでもない。僕自身だ。
目の前の複雑で混乱した道を通り抜けなければならない時、僕が進むのはいつもアートだった。この道がどこへ行くのかわからないけれど、これをあなた達と共有できることに感謝するよ。」
今一度自分の整理を付けるべく、マイクは進むことを決心したのです。ファンやチェスターと共に過ごしてきたこれまでの時間をなくさないためにも。
ソロとしてサマソニのステージへ
チェスター死後、予定されていた来日公演のキャンセルはすぐには発表されませんでした。それはなんとかこの公演を行いたいとバンドの強い願いがあったから。しかし、やはりメインボーカルの不在はバンドとして姿勢を立て直すには時間の必要なことです。結果として中止となってしまいましたがバンドは大きな悲しみを背負いながらも立ち止まることなく歩みだそうとしている姿勢が伝わってきました。
今後のリンキン・パークはどうなるのか。まだ誰にも分かりませんがマイクは歩き出し、バンドも前へ進もうとしています。深い悲しみを背負いながらも、いつの日かまた力強いパフォーマンスを見せてくれるに違いありません。
今年のサマーソニックへのマイクの出演もその一歩。そして私たちファンも一歩ずつでも前に進めるよう、マイクはきっとその姿で私たちを勇気づけてくれるはずです。
2017年8月18日(土)・19日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪会場:舞洲サマーソニック大阪特設会場
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SUMMER SONIC 2018