苗場20周年、台風、ボブ・ディラン!フジロック’18レポート
7月27日(金)〜29日(日)に開催された「FUJI ROCK FESTIVAL’18」(以下、フジロック)。
2016年に開催20周年を迎えましたが、今年は苗場開催20周年という、もう一つの節目の年としても盛り上がりを見せ、7月26日(木)の前夜祭から延べ12万5千人が来場しました。
そんな今年のフジロックレポートをお届けします。
ライブフォト
1日目はN.E.R.D、2日目はケンドリック・ラマー、3日目はボブ・ディランと世界でも注目度の高いヘッドライナーが揃った今年のフジロック。各日三者三様の圧巻のステージを見せつけてくれました。
<ボブ・ディランのライブレポートはこちら>
なかなか目にすることのできない世界レベルのステージに多くの人が魅了され、その場を共有したことへの一体感はやはりフェスならでは!また、SKRILLEXのステージにはX JAPANのYOSHIKIが登場する豪華なコラボレーションも実現しました。
そして、邦楽アクトがぐっと増えた今年、夕暮れの心地良い音楽空間から徐々に観客の温度を上げていくようなセットで魅せたサカナクション、その圧倒的にパワフルなパフォーマンスで通り過ぎる人も立ち止まり釘付けとなったマキシマム ザ ホルモンなど国内アーティストのステージも多くの人の記憶に残るステージとなったことでしょう。
また、今年は初のライブ配信が行われたことでそのステージを会場以外からも楽しめたのは大きなポイント。SNS上でも様々なアーティストのパフォーマンスが話題となっていたようです。
初開催以来にフジロックを襲った台風
猛暑が続いている今年の夏を表したような晴天と気温だった初日。
それとは打って変わって、2日目夜ごろからは開催直前に発生した台風12号の影響が会場を襲いました。
その日のヘッドライナーであるケンドリック・ラマーあたりから強くなった雨風。雨には慣れているフジロッカーですが今回は台風ということで風の力が強く、キャンプサイトではポールが折れて崩壊したり、風で飛ばされるテントが続出!
行き場を失った人たちには、苗場プリンスホテルのロビーや最寄りの体育館などが避難所として開放されていました。
崩壊しないまでも、強風におあられ、ありえないほど揺れるテントで一晩を越すというかつてない経験を体験。
3日目は雨が降ったりやんだりとフジロックらしい(?)お天気で正にフルコースを味わい、今年のフジロッカーは更にたくましくなったのではないでしょうか…!?
今年のトピック:苗場開催20周年&新スポット
今年のフジロックは苗場開催20周年。初期から比べるとステージも増え会場の環境もかなり整いました。それも地元・苗場の人たちの協力があってこそ。ホワイトステージからフィールド・オブ・ヘブンなど会場内のステージを繋ぐボードウォークの整備も地元の人やボランティアによって行われています。森の中へと続くこの空間をお気に入りとしている人も多いことでしょう。
今年は更に新しいルートとしてグリーンステージへ戻るルートにジプシー・アヴァロン・エリアからのルートが開通。注目アクトが多く、入場規制もしばしば発生するホワイトステージを通らずとも、スムーズに移動できるようになったのは嬉しいポイントでした。
また場外エリアにひっそり佇むタクシースポットにも注目。こちらはフジロックを主催するスマッシュ社長・日高さんがキューバで見つけてきた自転車タクシー。
100円で場外エリア〜会場内レッドマーキー間を走っているそうで、陽気そうなお兄さんがドライバーを務め、軽快な音楽とともにお客さんを運んでいました。タイミングが合わず乗ることはできませんでしたが、来年もあればぜひ利用してみてたい!
そして今年限りのスペシャルな空間となった大人の移動遊園地「アンフェアグラウンド」。グラストンベリーで毎年展開されており、今年はグラストンベリーの開催がお休みのためフジロックでの展開が可能となったそう。
昨年はオレンジ・カフェとして飲食店や休憩テントが並んでいたエリアにカラフルなグラフティやシュールなオブジェが並んでいました。そして中央には何やら怪しげなテント。
早い時間は静かな場所でしたが、昼過ぎからはライブやDJがスタート。なんと深夜まで続いており、夜の空間はまた昼とは違った表情でなんとも怪しげ。
その空間で聴く様々なダンス・ミュージックはいつもよりも高揚感を煽ります。さすがレイヴ本場からやってきただけあり、気づいたら終わりまで踊り続けていました。終わってみると、これが今年だけとはなんとも寂しい気持ちです。今年ハマった方はぜひ来年グラストンベリーへ!
また環境や設備面として、今年からの導入ではありませんが電子マネーがかなり普及していたのも印象的でした。ほぼすべての店舗で使え、利用するお客さんが増えたことで非常にスムーズ。他のフェスでもどんどんと普及していってほしいものです。
開催20回、苗場開催20回と節目を超えたフジロック。不自由さがある種の個性だった環境も少しずつ変わり、フェスカルチャーのパイオニアとして今後はどんなフェスに進化していくのか。それはきっと、これまでの20年のように、主催者側だけでなく、地元・苗場の人たちや私達参加者一人一人が作っていくのでしょう。
それではまた来年!