メロイック・サインって一体何?
突然ですが、あなたはメロイック・サインを知っていますか?人差し指と小指を立てる、こんなサインです。
ロックやヘヴィ・メタルのバンドのライブ等でオーディエンス達が掲げているのを見かけた事があるかもしれません。写真をとるときにこのサインを使ってポーズを取る光景もよく見かけます。
見よう見まねで「メタル(またはロック)っつたらメロイック・サインだ!」のように半ば直感的な解釈で使っている人も多いかと思います。盛り上がりを象徴する定番のサインとしての認識は決して間違ってはいないでしょう。
しかし、本来のメロイック・サインはどんな意味を持っていたのでしょうか。そしてこのサインはいつから始まり、なぜここまで親しまれ広まったのか。非常に気になりますね。
今回は、そんなメロイック・サインにまつわる逸話を紹介していきたいと思います。
メロイック・サインって言葉は日本だけ?
日本の主にメタルシーンではメロイック・サインという名称は一般的であり、ごく普通にそう呼ばれています。しかし、他の国ではこのサインの事を一般的に「コルナ」と呼ぶようです。
これはイタリア語で「角」を表す言葉なのですが、日本ではあまり聞いた事が無い名前ですね。どうやら、イタリア語でevil eyeを意味する「malocchio」が転訛してメロイック(maloik)になったようです。
メロイック・サインが持つ元々の意味とは
メロイック・サイン(コルナ)は様々な意味を含んでいます。音楽だけでなくスポーツ観戦などでも使わており、数多くの意味を表す説が存在するため何が本当なのか難しい所もあるでしょう。
しかし、その中でも一番有名な説として「魔除け」を表すものがあります。我が身に振りかかる邪気を祓うためのジェスチャーとして使われていたというものです。メロイック・サイン(コルナ)を掲げる事で、不幸に見舞われたときや非運を示唆されたときに、悪運を祓いそれら絶望的な宿命を避ける事ができるのです。
ただし、親指を中に入れて隠してしまうと悪魔崇拝を意味するという説もあり、大きく意味が異なってくるので注意が必要でしょう。
また、地中海諸国ではメロイック・サイン(コルナ)のジェスチャーは侮辱的な意味をもつため、これらにも気をつけましょう。外国人にいきなり中指を立てられたりしたらかなり不快ですね(中指を立てるジェスチャーの意味はグローバルなものかもしれませんが)。
ヘヴィメタルにおけるメロイック・サインの起源は不明?
さて、ヘヴィ・メタルシーンにおいてメロイック・サインはいつから使われるようになったのでしょうか。メタルシーン以外を考えると、実はこのジェスチャー自体の起源はかなり前の事で、古代ギリシアまで遡るとされています。
では、いつからメタラー達はこのジェスチャーをする事になったのでしょうか。その要因となったとされている人物は、今では「メタル界のゴッドファーザー」の異名を持つRonnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)です。
ロニーは「メロイック・サインをはじめたのはロニーなのか?」というインタビューを受けて、メロイック・サインをトレードマークとして使いファッショナブルにしたのは自分だが、自分が初めてでは無く、このジェスチャーは昔からイタリアに存在し、祖母が”Malocchio(evil eye)”と言っていたものだと公言しています。この言葉が転訛したのですね。
KISSのGene Simmons(ジーン・シモンズ)も1977年にリリースされたアルバム『Love Gun』のジャケットでメロイック・サインと思われるポーズをしていますが、これは自ら発案したとされているようです。
現在は、メロイック・サインで音楽への愛を表現
メロイック・サインの意味と起源について紹介してきました。無意識にとっていたこのジェスチャーに、こんな由来や意味があったんですね。
音楽に限って考えると、現在メロイック・サインは世代を越えて受け継がれ、とてもシンプルにメタル(ロック)への愛を表現するサインとしてメタラーを初めとする多くの人々に親しまれています(スポーツ観戦等でも「勝負を仕掛けろ!」という意味で使われる事もあるようです)。
数え切れない程の人から溢れんばかりの音楽への愛を恵まれ続け、大きくなったこのシンボルマークは、これからも音楽と人々の絆をより強固なものにし、ときに猛々しく凛とした存在感を放ち続けることでしょう。
LOUD PARK 15でもメロイック・サイン!
さて。LOUD PARK 15まで1週間を切りましたね。大好きな音楽への愛を思いっきり込めてメロイック・サインで応援してみてはどうでしょうか。
LOUD PARK 15 10th ANNIVERSARY
2015年10月10日(土)
2015年10月11日(日)
会場:さいたまスーパーアリーナ
<関連リンク>
LOUD PARK 15 10th ANNIVERSARY