クリーン・バンディット周辺を掘り下げたくて・・・冬。

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12月14日(月)に間もなく来日するクリーン・バンディット。昨年の“Rather Be”のメガヒットが記憶に新しいが、彼らはまだまだ進化の只中だ。『electrox 2015』以降、ここ日本でも着々と知名度を上げており、今年のサマーソニックでは素晴らしいパフォーマンスを見せた。そのときの模様はこちら

今更ではあるがバンドの体を説明すると、彼らにはメインヴォーカルがいない。正式メンバーは、ジャック・パターソン、ルーク・パターソン、グレース・チャトー、ミラン・ニール・アミン=スミスの楽器演奏者の4人である。そのため、ライブでは英国人ヴォーカリストのエリザベス・トロイがこの任に就くが、基本的には曲によって客演に呼ぶアーティストは変わる。例えば、先の“Rather Be”、“Real Love”では同じく英国のシンガーソングライター、ジェス・グリンが担当している。同曲でヴォーカルを務めた彼女もまた、クリーン・バンディットと共にメインストリームへ駆け上がった。今年3月にリリースされた彼女のデビューシングル“Hold My Hand”は、全英で3週連続1位を獲得した。

Hold My Hand

スケールの大きい曲である。作曲者にジャックの名前がクレジットされており、今もなお交流は続いているようだ。

このように、クリーン・バンディットは他のミュージシャン達と実に上手く「持ちつ持たれつ」な関係を築いている。その範囲はR&B、レゲェ、フォークと多岐に渡り、多くのアーティストを自分たちの演奏に呼んでは、良質な化学反応を引き起こしている。今回は、そんな実力派揃いのクリーン・バンディット周辺を何人かピックアップしてみようと思う。

Stylo G(スタイロ・G)

この曲に参加しているのはジャマイカ出身のアーティスト、スタイロ・G。オートチューンを用いたグレースの歌声に、いかにもレゲェチックなリズムでサウンドを牽引する彼のヴォーカルが乗る。間違いなく意図的に作られた「温度差」が面白い。MVの雰囲気もあいまって、「冷」のグレース、「暖」のスタイロ・G、という構図が成立している。

現在、彼はイギリスで活動しており、“Come Over”が発表される前にも複数のヒットを飛ばしている。中でも“Soundbwoy”はUKシングルチャートで18位を記録しており、クラブシーンにおける認知度は高い。プロデューサーを務めたディストーションも、この曲のヒットにより知名度を上げた。

「レゲェとエレクトロを掛け合わせたようなサウンドプロダクション」なんて書くと、メイジャー・レイザーそのままのようだが、スタイロ・Gはよりジャマイカの文化に根ざしたアーティストだ。ぜひご一聴を。

Soundbwoy

Alex Newell(アレックス・ニューウェル)

“Rather Be”に次いで支持率が高いこちらのナンバー。よく聴けば、昨年リリースされた“New Eyes”に収録されている同曲とはアレンジが違う。この動画がアップロードされた日付を見れば察しが付くが、こちらはシングルカットとして再販されたバージョンである。アレンジが違えばシンガーも違っていて、オリジナルはイヤーズ&イヤーズのオリー・アレクサンダーがヴォーカルを務めている。で、こちらのシングル仕様でソウルフルな歌声を披露しているのが、アレックス・ニューウェルその人だ。念のため断っておくと、彼は男性(ゲイではあるが)である。

熱心なファンであれば、声を聴いただけで分かるかもしれない。この人、アメリカのコメディドラマ『グリー』にシーズン3から登場する女装男子「ユニーク」である。当時から音域の広さ、歌唱能力の高さを見せ付けていたが、最近はますます彼の名前を見かけることが多くなった。ブロンドによってリリースされた、“All Cried Out”でシンガーを務めているが、この曲はUKダンスチャートで1位を獲得した。今や方々で引っ張りだこである。

中でもザ・ノックスとの相性は良く、持ち前の圧倒的歌唱力を遺憾なく発揮している。80’sっぽい雰囲気もグッドだ。ノリノリで女装する姿もキュート。

Collect My Love

Noonie Bao(ヌーニー・バオ)

男性ヴォーカルはバンドのメンバーであるジャックが務めているが、途中から入る繊細なコーラスはヌーニー・バオによるものだ。彼女はスウェーデン出身のアーティストで、元々はプロデューサー(最近ではカーリー・レイ・ジェプセン、チャーリーXCXなど)として世に出てきた人である。このMVも同国の湖で撮影されたもので、彼女の澄んだ歌声と見事にマッチしている。この曲は歌詞の完成度も高く、クリーン・バンディットの多才さを思い知る。ちなみにこのMVを撮影・編集したのも彼ら自身だ。

ヌーニー・バオ名義でも活動しているが、彼女の名前が一気に知られるようになったのは、やはり“I Could Be the One”だろう。アヴィーチーとはこの曲以降も交流が続いており、最新アルバムの“Stories”では、“City Lights”のシンガーとして参加している。線が細く、情緒が豊かなヴォーカルが特徴だ。

チャーリーXCXとも再び仕事に取り掛かっているようで、彼女の新作にもヌーニーはその名を連ねる予定だという。いぶし銀な働きに今後も注目だ。

City Lights


さて、クリーン・バンディットの再来日公演が間もなくである。チケットは既に売り切れており、いよいよ日本での人気も本格化してきた。残念ながらニールは病気のため来日不可ということだが、代わりを務めるChristina Hizonも実力は確かである。彼女はツアーメンバーにも度々クレジットされているから、ファンにとっては最早お馴染みかもしれない。


クリーンバンディット来日公演
2015年12月14日(月)
会場:東京 赤坂BLITZ

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クリーン・バンディット来日公演

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